日本と異なる風土で暮らす良さははそこに人間がいるということを感じることです。
私はすぐに空気が抜ける自転車をこいで通勤することが多いので、通りに並ぶ家々の生活を目の当たりにできます。
めしを食い、笑い、懸命に炭を起こす主婦、商売用に大きな鍋で毎朝沢山のフライをこしらえる家族、行きかう自転車やモーターサイクル。夕刻の早い時間からビールの栓を抜く幸せなおっさん達。そこには日本とは生活の仕方は少し違うけれども、普通の人々の何ともない日々の営みが展開しています。
当たり前のことなんですが、人が感じる痛みや喜びやそれぞれの幸せの追求の思いは、どこでもだれも皆同じなんだと、行きに帰りにそれを眺めていると実にしみじみ思うのです。
この当たり前のことを実感し、共感できることは幸せです。
昨日、通勤の途中で「サバイディ」と声をかけ、学生がオートバイで僕を追い抜いていきました。後には明らかに母親だとわかる同じような顔立ちの女性が乗っていて微笑んでいました。
何気ない挨拶に、僕はいつまでも笑顔が消えないのです。