前回書き残したことがあります。
私が、「家具を作っています」「家具屋です」「木工屋です」などと言いますのは、前回書いた内容に加え、そこに謙遜の気持ちを含めたいからです。
画家は問われた時に、自分のことを何というのでしょう。「画家です」と答えるのでしょうか。
しがないというような謙遜を込めて、「絵描きです」「絵を描いています」と言う方がいます。同じく謙遜して、作家は「物書きです」、陶芸家は「焼物作っています」や「焼物屋」と言う方がいます。彼らの謙虚さは爽やかに感じます。
私はついこだわるのですが、このような謙譲の感覚も人それぞれです。
私の大学時代の友人は、学生時代には大層デザイナーを嫌っていましたが、就職して商業デザインを始めてから、宿帳には「会社員」などではなく、必ず「デザイナー」と書いていましたからデザイナーに強い憧れと誇りがあったに違いありません。
同じように、人によって誇りやプライドに支配される優先順位からくる自己表現や、謙譲の感覚も違います。とやかく言うつもりはありません。
ちなみに「弁護士」や「税理士」の方はそのまま使っているような気がします。接尾語の種類(職業)によって多少の違いはあるようです。
職業によって「○○家」「○○士」「○○師」等を使い分けます。意味がはっきりしなかったものを含め、この際まとめて、現在手元(ラオス)にある岩波国語辞典(第三版)で確認、抜粋しました。
「家」:一つの事柄について優れている人。作家・画家・音楽家・専門家。
「士」:ある資格を持ったもの。博士・棋士・代議士・計理士。
「師」:工人の長、技術者。後に専門家を示す接尾語。仏師・絵師・医師。
「者」:行動の主体。人。役者・医者・芸者・達者・筆者・勝者。
「手」:ある仕事を持つ者。助手・選手・騎手・運転手。
「司」:公の役目を持つ者。保護司・宮司・行司。
「官」:宮廷や政府に勤めるもの。役人。教官・事務官。
「員」:役・係りを持ったひと。議員・教員・社員。
「吏」:役人。官吏・執行吏。
その他、教諭、車掌、船頭、○○長、などもあります。日本語は大変です。ついでに、お店などの名前につける接尾語も様々で、はっきりしませんので調べてみました(同じく抜粋)。普通の国語辞典ですから一般的説明です。
「店」:品物を並べて商売をするところ。
「屋」:(多くは名詞に付けて)その職業の家または人。
「軒」:書斎・雅号・屋号などに用いる。
「庵」:文人等、人の住居の雅号。料理店の屋号に用いる。
「舎」:一般に人の住む建物、家、屋敷。校舎・駅舎・官舎。
「堂」:雅号・屋号などに用いる。多くの人を入れる建物。講堂・食堂。
「房」:堂のわきの室。一般に部屋。住まい。家。(小部屋にいる人:女房)
「室」:家。家屋の中の区切られた部屋。茶室・教室・診察室・設計室。
「所」:特定の仕事のために設けた場所。駐在所・作業所。
「館」:宿屋(旅館)。公共の建物。大きな建物、店(写真館・映画館)。
「院」:役所、寺、学校その他の機関。参議院・修道院・学院・医院。