わが国のビールを取り巻く環境こそ最悪なものはありません。
日本へ戻ると、旨みのないドライビールにはうんざりしていますが、近年、発泡酒などという、まずいビールモドキが発売され、我々庶民は価格の安さからそれを買わざるを得ない状況が続いていました。しかし、発泡酒の価格破壊に伴う利益率の低下を改善するメーカーの販売戦略効果から、小売価格が適正価格(?)へ戻るのを見計らうように、S社からビールとはまったく異なる本当のビールモドキが発売され、それは以前から屋台で仕事帰りの労働者に飲まれていたホッピーの焼き直し版といっても良い物で、酒税法上は雑酒扱いのために税金が安く、販売価格も発泡酒以下で、とうとう我々庶民は不味い発泡酒の代わりに、今日では、極めて不味い雑酒麦酒風味を飲むことを強いられていて、「せめて発泡酒くらい飲みたいよ」などという情けない状況になっています。
食品をはじめ、安全性や本物が評価される今日にあって、まがい品を選択せざるを得ないビールを取り巻く我が国の退行現象は一体何なのでしょう。
世界を見渡してもビール風味を楽しむだけの偽物を頂く不幸せに甘んじる、珍しくも悲しく情けない国はあまりありますまい。これもひとえにビールに課せられた甚だ不公平な税制に他なく、これが国際的にも恥ずべき状況を与えているのです。
ビールに対する大昔の税制を抜本的に是正すれば、真ビールの消費は増え、メーカーも為ビールの製造に労力を費やす必要もなく、本来の美味い真ビールの新製品にその労力を向けることができるというものです。
ここラオス唯一のビールであるビアラオも美味いし、隣国タイのシンハービアーは実に美味いラガービアーです。
ああ哀れ、日本為ビール。