NHKのテレビプログラム「クローズアップ現在」において、「安全確保に追われた自衛隊」という番組が放映された(ここラオスで最近視た)。
復興支援でイラクに派遣された自衛隊だったが、サマワの住民の自衛隊の活動内容に対する不満による攻撃が続いた。隊員の安全確保を最優先させるため、想定を超えた様々な事業を行って雇用の拡大を図り、住民の不満の解消を行い、無事2年半の活動を終え、撤収にこぎ付けたというものだった。
番組では、サマワの住民が、雇用や電力事情が改善がされないことなどから自衛隊への不満を露にし、ロケット弾を宿営地に打ち込んだり、日本国旗を踏みつけたりする映像が放映された。
そのシーンだけを見ると、復興支援のために活動している自衛隊に対し、活動内容に不満があるからといって、攻撃を繰り返すイラク国民は、実に失礼に映る。
米、英国は、国連や多数の国の反対を押し切ってイラクを攻撃した。そして、日本は早々に米英支持を表明し、多額の無償援助と自衛隊の派遣を決定した。
(フランス、ドイツ、ロシア等は主権のイラク移譲がはっきししないうちは資金や軍事援助は行わないとした)
番組によると、自衛隊の任務は、「給水・医療指導・公共施設の補修」という説明だった。しかし、イラク特措法によると米英の後方支援が盛られている。
先制攻撃を支持し、アメリカの軍事侵略下のイラクに自衛隊を派遣すれば、イラクからすれば、当然自衛隊は侵略軍と見なされる。
占領軍が来たという彼らの理解でみれば、サマワの人々が活動内容の不満を砲撃によって表現した事を我々は非難できない。
そもそも、アメリカはイラクの石油とその利権を狙い、在りもしない大量破壊兵器の保持を名目にイラクに侵攻した。当然、兵器は発見されなかったし、ブッシュ大統領もイラク派兵を侵略(Iraq Invasion)と表現している。イラク国民からすると実に迷惑至極な話である。
自衛隊の復興活動とそれに関わる雇用が理解されたのかどうかはわからないが、自衛隊が大規模な攻撃を受けなかったのは奇跡だ。
この番組が何を訴えたかったのかよく分からない。基本的な部分に触れず、隊員に対する自衛隊の安全対策にフォーカスが当てられただけだ。
先に述べたように、日本の対イラク対中東外交姿勢には攻撃対象になるだけの要因があり、そこにはまったく触れられていなかったからである。
また、今回の侵攻において、多量の劣化ウラン弾が使用されたようだが、これに関しての安全面については政府も番組もほとんど触れていない。
犠牲者を出さずに撤収を完了できたことは本当に良かった。そして、隊員が被爆していなければいいと思っている。