前回書いた、ある方のお勧めの暖房方式は放熱器としてラジエターを使うセントラルヒーティングシステムであり、その方が同じ評価を与え、使ってみたい暖房方式に薪ストーブを挙げておられた(サイト名等は失念。現在ラジエター式セントラルヒーティングシステムを使用していた)。
私も工房では薪ストーブを使っている一人である。視覚的に暖かなイメージを持つ薪ストーブの良さは理解できるし、実際暖い。
しかし今は、自宅では薪ストーブを使いたくはなくなってしまった。薪の確保を始め、私にとっては問題が多いのである。
田舎暮らしは私の若い頃からの理想であり、当然薪ストーブや、薪割りは田舎暮らしの象徴的なシーンとしてイメージしてきた。所が、薪の確保には想像以上のエネルギーが必要であることが判ったのである。
此処は杉の産地であり、間引きしなければならない杉は沢山ある。それを薪として使う場合、切り倒した杉をストーブに合った長さに玉切りし、それを割って積み上げ、乾燥させなくてはならない。そのためには、チェーンソーが必要であるし、使い方にも慣れなければならない。薪割りは、健康のための運動として都合がいいといっていられるのは若いうちか、最初の2、3年だけだ(私の場合)。
首尾よく乾燥させられたにせよ、杉材は燃えてしまう時間が短く、始終くべなくてはならないから結構厄介なのである。ましてや、間伐してくれればタダでもらえると言われても、立ち木を切り倒して膨大な枝を処理して運び出すのは素人にはまったく手に負えない危険な作業である。だから、ログハウス加工場かプレカット工場へいって端材を確保したり、製材所で切り落とした最外部を調達し(これは燃えるのが早くて使えない)、必要な長さに切断して、乾燥させる。
薪割りに用いる斧のメンテナンスにも、意外に時間を取られる。十分に乾燥させた柄をしっかりと取り付けないとすぐにぐらぐらになって使えないし抜ける危険がある。
とうとう私は、鉄パイプを柄として溶接してもらって使っている。
薪割りから開放される解決法は、製材所から出るオガ屑を利用する、オガ屑ストーブである。この地方でも、製材所などでは昔から使われてきたもので、通常、町の鉄工所に頼んで作ってもらう。
オガ屑のタンクがストーブから垂直に立ち、タンク下部のオガ屑が燃えて、次々と落ちる(よく上へ燃えて行かないものだと思う)。
問題は、オガ屑が燃える下側に鋳物でできた円錐状の受け(ベーゴマを逆さにしたような形状)があるのだが、これが熱で傷み、近くの製材所では毎年交換しなければならず、価格は数年前の話で1万円程度だという。
次に灰の始末。さらに煙突がすす(煤)で詰まるという問題がある。
煙突が詰まるのは原因として、第1に、煙突の引きが悪いことが考えられる(煙道の水平距離に対して充分な垂直距離が確保されているか)。第2に、途中で煙突が冷えて排煙が上昇しにくくなり、ススとして付着する。第3として薪の乾燥が不十分だという点がある。
煙突の掃除は厄介であり、灰や詰まった煙突掃除で発生する煤は軽くて室内を汚しやすいというのも問題ではある。
外断熱にした高気密高断熱住宅(注1)が最近の流れのようである。そういったモダン住宅に住む方の中にも薪ストーブに憧れる方がいる。その場合、一酸化炭素中毒の危険性に対する配慮も大切になってくるのではないかと思う。
近くに、リタイヤして温泉付き分譲地を購入し、住み始めた方がいる。念願の田舎暮らしだったのだが、薪ストーブの薪の確保は頭の痛い問題であるという。
注1:燃焼系暖房器具は使用してはいけない等の条件もあるらしいが、私自身、最近の住宅事情のことはよく分らないので断定的なことは言えないことを了承されたし。