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  1. 2008/04/17  春に・・ (2)

ほんの1週間の留守だったが、帰宅した我がエリアは完全に春だった。
桜はまさに開花時期で、去年植えた朴(ほお)の木は、へろへろ状態で秋を迎え越冬したが、りっぱに芽吹き、沢山の新芽を付けている(朴は綿菓子の香りがするのだ)。
出発前まで作業に必要だった防寒ズボンは不要となっていて、役を終えた灰と、熾(お)きが作業場のストーブの中で居心地悪そうにしている。

作品を発送し、あたふたと旅立ち、取り合えず個展を終えた。
随分前から図面化し、冬を通して制作してきた作品だったが、会場では、未成熟な部分がやけに迫ってくる。改めて自分の未熟さを自己嫌悪気味に痛感している。再度、白紙に戻して取り組もうと思っている。

個展中、姪を見舞った。
世界でも極めて珍しい腫瘍に犯されていた。手術に先立ち、医者から(最悪)死の宣告を受けた。まだ未婚の28歳。
自分の運命の暗い死の淵を見つめて呆然とし、それを受け入れる他なかった彼女の孤独な涙を想像するとき、涙を禁じ得ない。言葉にすると簡単すぎるが、死を自覚した人間だけが、おそらく生を実感できる。

姪は、16時間以上に及ぶ手術を受けた。しかし、出血が止まらない。2日後の午後の再手術(止血のためのガーゼ除去)を控えた早朝にようやく出血が収まり、再手術は奇跡的に完遂できた。
報告する義妹の弾んだ声は、彼女のこれまでの人生での最上の喜びを放出していたように思えた。

おそらく今、姪っ子はICUから一般病棟へ移り、苦悶の中にあるに違いない。そして、今後容態が順調に推移しても、多くの障害を受け入れ、順応していかなければならないのだ。
まだ予断を許さない部分は多いが、死を見た人間だけが新たに形にしていけるだろう、自らの生への(崇高な)リセットとして。

春に。

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2008/04/29 10:02 PM | kikousha

>まだ予断を許さない部分は多いが、死を見た人間だけが新たに形にしていけるだろう、自らの生への(崇高な)リセットとして。
そのとおりだと思います。そうあってほしいと思います。
回復を、
お祈りいたします。

2008/04/30 10:33 AM | katsu

よくも生きたと思っています。いまだ、激痛と戦っているようですが、背中と腹の両方を開けなければ取り出せなかった巨大な腫瘍ですから暫くは大変でしょう。
詳しいことは、姪の友人が作ってくれた「http://34.xmbs.jp/asukamizue/”」(ASUMI)というサイトに詳しく載っています。

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