昨年、我が部落の小さな神社の拝殿が再建された。
伝統神道をベースにして村の習慣・しきたりは規定され、廻っている。だから豊作を願い、実りに感謝し、共に祝う。他所から来た我々には、ときに鬱陶しく思われることはあるが、地域に生きようとすると古来からの伝統を受け入れなければならない。
拝殿の再建に伴い、古くなった様々な備品 ―そのほとんどは木製だが― を作り直して欲しいという要望があったのだが、忙しさを理由に断ってきた。
所が年明け早々、近所のおっさんが板を持ち込んで削ってくれという。拝殿で使う文机を作るのだという。広い板は楠。脚にするという材は桜。作ることになると各自が持っている材が集まり、手先の器用なものが制作にあたる。
逃れられそうにもないので私が作ることにした。
とりあえず村の「指物屋」なので、へたな仕事はできない。それが億劫で様々な木工仕事を断ってきたのだ。楠も桜も含水率が高く、ひどい材だが仕方がない。
部落のおっさんは角ものの脚を予定していたようだが、加工時間の差もそれほどないし、何より見栄えがいいので、手持ちの欅を使ってダブテールジョイントを奢った。
新年の初仕事は、神社へ文机の奉納寄進である。ヨロズ神々の御加護ありや?