Articles(Comments) / Total amount of posts:361
  1. 2009/04/12  3人乗り自転車に思う (0)
    2009/04/10  マツダ式アイドリングストップ機構 (0)
    2009/04/05  熊野大社 (4)

/042009

自転車に子供2人を乗せて走行することが許されることになる。その方針の根底には子育て世代の生活支援という視点がある。それはそれで素晴らしいことなんだが・・。

警察庁の検討委員会(座長:青山学院大学教授 小川武史氏)は9日、ヘルメットの着用を条件に3人乗りを認める方向で最終報告をまとめた。
ただし、3人乗り自転車の構造上、以下の6項目をクリアーしなければならない。

1.十分な車体強度を有する
2.十分な制動性能を有する
3.駐輪時に転倒しない安定性の確保
4.座席が取り付けられる部分が十分な剛性をを有する(ハンドルやキャリア部分等)
5.走行中に振動の発生がないこと
6.発進、走行、停止時の操縦、操作、安定性の確保
(各項目の詳細は省略)

問題は、認可条件を満たすと車体が重くなること、価格が上昇することにある。
日本全国で、子育て中に3人乗り自転車をどれだけの母親が使用するか、つまり、どれだけの販売が見込めるかということであり、場合によっては、価格上昇分を量産によって補えないということになる。
現在メーカーが想定している価格は、6~7万円前後。

かなりの数のお母さん方が、3人乗り自転車を必要としていると思われるが、重くて高い自転車を新たに購入しなければならないことになると、3人乗りを認めた子育て世代の生活支援の考えから乖離することになり残念だ。

警察庁の検討を受け、すでに複数のメーカーが3人乗り自転車を試作し、メディアで画像や映像を見ることができた。
頑丈そうな車体。物々しい子供用シート。正直言って、悪趣味で不細工。
検討委員会がまとめた「幼児2人同乗用自転車に求められる要件」を満たさなければ発売できないから仕方がないといえばそれまで。

現在販売されている「ママチャリ」にも力士が乗ったりするわけで、その場合でも車体が折れてしまうということは通常無い。シートを取り付ける部分の強化は必要だが、子供2人を乗せることを想定した自転車の車体強化が必要なのかと思う。
電動アシスト車を除き、重くなるということは、自転車の最も不安定な漕ぎ出し時の安定性を更に悪化させる。

安定性に関して追加的に述べると、メーカーの試作品の多くは、いわゆる、「ママチャリ」のライディングポジションを踏襲したものばかりである。「ママチャリポジション」とは、、シートが低めでハンドルが高く、背骨が直立する運転姿勢である。この運転姿勢が安定性に欠ける。
前輪に加重が掛かるほうが安定は増し、ペダルを強く踏むことができ、結果的にスタート時の安定を確保できることは実証されていることだが、メーカーの試作品を見る限り、この点の検証がなされていないように思える。
座高計測のような姿勢ではペダルを強く踏めないのだが、その点に疑問を持たないメーカーの姿勢が不思議で仕方がない。子供を2人乗せるというのに・・。

ちなみに、「幼児2人同乗用自転車に求められる用件」の中の「発進時」についての記述は、
①GD(歯数比距離)が4.3m以下であるか、GDを4.3m以下に調整できる変速機を有していること。
②電動アシスト機能を有していること。
の2点しか述べられていない。「クランクひと漕ぎで何メートル以下」の勧告を出すなら、安定を高める乗車姿勢まで踏み込むべきだと思う。

自転車に2人の子供を乗せるような場合は、肘を張ってがっちりハンドルを握り、力強くグイグイとぺダルを踏むようでなければ危険なのだ(ママチャリでも、肘を張ると上体が下がって安定が増す)。
財団法人自転車産業振興協会は、3人乗り自転車に関しても、メーカーへの助成を行っているが、安全安定なライディングポジションへの指導啓蒙にも力を入れるべきだ。

試乗したお母さん方のコメントを読むと、以下の問題が浮き上がっている。
・価格(高くないこと)
・軽さ(重いと漕ぎ出し、スタンドを立てる場合大変)
・身軽さ(3輪の場合は駐輪、狭い歩道を押す場合に不便)

ともあれ、1万前後の格安自転車が氾濫している今、子育て期間中に6、7万前後の高価な専用車を購入する方々がどれだけいるのか・・。

結論として、重くて高価な3人乗り自転車を買わずとも、安くて軽い普通の自転車に子供用シートを取り付け、そこに1人目の子供を乗せ、2人目の子供は、しっかり自分の背中に背負うという方法が、3人乗りの合理的、合法的解決法ではないかと思う。
法律上も問題ない(下記道路交通法 施行規則「ウ」「オ」欄参照)。
転倒時に頭部を保護するアルミフレーム付き背負子などあれば更にいいと思うが・・。

注:この法律が改正されている場合、また、私の解釈が間違っている場合もありえるので、その場合は速やかなご指摘をお願いします。

道路交通法 施行規則
軽車両の乗車又は積載の制限
第100条
法第57条第2項の規定により、軽車両の運転者は、次に掲げる乗車人員の制限をこえて乗車をさせ、運転してはならない。
(1)乗車人員の制限は、次のとおりとする。
(1-ア)二輪の自転車には、運転者以外の者を乗車させないこと。
(1-ウ)16歳以上の運転者が幼児用座席を設けた二輪又は三輪の自転車を運転する場合は、ア及びイの規定にかかわらず、その幼児用座席に6歳未満の者を1人に限り乗車させることができる。
(1-オ)16歳以上の運転者が6歳未満の者1人を子守バンド等で確実に背負つている場合の当該6歳未満の者は、アからウまでの規定の適用については、当該16歳以上の運転者の一部とみなす。
(この記事に関係のない項目(イ、エ)は省いた)

[閑話休題]
硬い話題もいいが(?)、安全とか常識に捉われないことも、時には必要かもしれない。
オレゴンのパルスジェット エンジンデザイナー、ボブ・マドックスの制作したパルスジェット・バイク。
5.6Lの燃料で2分燃焼し、10秒以内に時速約100キロに到達する。
パルスジェットエンジンは非常にシンプルな構造で、第二次大戦中ナチスドイツのV-1ミサイルとして有名。PopularMechanicsより転載させて頂きました。
パルスジェットバイク

以前、若干触れたことのあるマツダのアイドリングストップ技術(i-stop)。
マツダは、2005年第39回東京モーターショーにおいて、スターターモータを使わないでエンジンを再始動させる「スマート アイドリング ストップ システム」を発表した。
このアイデアで、2006年第16回「日経BP技術賞:機械システム部門賞」を受賞している。

構造を簡単に説明すると、圧縮行程にあるシリンダーに燃料を極少量噴射して点火し、クランクを逆回転させる。そのとき膨張行程にあったピストンは逆に押し上げられる。そこに再度燃料を噴射し、点火することでピストンは再び下降し(正常回転)、エンジンは再始動するというものである。

始動用モーターを使わないでエンジンを再始動できるアイドリングストップ機構のため、バッテリを強化せず、ハードウエアの追加を最小限に抑えられる。
モータを使った再始動では0.7秒程度かかるものが、このシステムでは0.3秒ですみ、10.15モード燃費も約14%改善するというものである。

ほぼ空気量が同じくらいの位置でエンジンを止める(ピストンを、ほぼ同じ位置で止める)必要があるため、オルタネータをブレーキとして使う。クランク位置を精密に制御するため、精度の高い位置センサが必要となる。また、正確な燃料噴射が必要となるため、当然ながら直噴エンジンが前提となる。

このアイドリングストップ技術を搭載した新型車(マツダ アクセラ)が、2009年半ば、ようやく国内発売される。

当初のアイデアは、スタータモータを使わずにエンジンを再始動することだったが、実用化にあたり、予備回転用の燃料使用のため、燃費改善効果が薄いことが分かり、再始動時はスタータモータを併用する方法に変更された。
スタータモータでエンジンを回転させるのと同時に、燃料を噴射して点火することで、使用燃料を当初よりも減らし、スタータモータの使用時間も短縮、再始動時間を短縮した。
結果的に、0.35秒という短時間での再始動を可能にした。これはエンジンの再始動をまったく意識する必要のない感覚とのこと。

素早い再始動を実現するには、ピストンの停止位置が非常に重要となる。クランク角で30~120度の範囲において、速やかな再始動を行うことができるめ、常にこの範囲にピストンが停止するように制御する必要がある。
エンジンは停止時にクランク軸のカウンターウエイトの重みでわずかに逆転する場合があるので、逆転も検出できるボッシュ製の新センサを採用した。これによって従来より正確にピストンの位置を把握し、素早い再始動を可能にしている。
(注:逆回転の検知の必要性として考えられることは、逆回転によってピストンの位置が微妙にずれる、最適範囲にあるピストンを選んで燃料噴射を行うということか?。まさかクランク軸を強制的には回さないだろう(素人の私見))

夏場では、エンジン停止中に室温が上昇するため、早めに再始動してエアコンを作動させる。このため、夏場の燃費改善は厳しいが、それ以外の季節では、ドライビングにもよるものの5、6%程度の燃費改善を見込んでいる。
また、同システムを実現するために再始動用サブバッテリ等が必要となっている。このシステム単体では数万円の価格上昇になる。サブバッテリーは結構大きく、システム維持にも費用が掛かりそう。

様々な理由があるにせよ、発表から実用までに4年近く掛かった。クランクを始めとするシステムの精密なコントロール、また、ベースとして高度な直噴エンジンの技術は不可欠。全ての新技術に共通することだが、技術の積み上げから検証を経ての商品化には頭が下がる。

新しいものを生み出していくことは大変である。しかし、そこには技術者としての誇り、顕然としたロマン、そしてカスタマーの満足への喜びがある。皆、努力をしていると、思う。

熊野大社

2009/04/05

国立から夜通し走ってきた。疲れている上に、米子道は強い風で、安定に欠けるチープなワンボックスを転がすには難儀した。
奈良に寄りたい気持ちも強かったのだが、慣れていて、気持ちの負担感の少ない山陰を選択した。

松江に入る頃には強かった風もなぎ、訪れたときには、いつもこの地域が示す、穏やかで心地いい雰囲気が、雨上がりの弱い陽光と共に、今回も我々を囲んだ。

舞殿熊野大社の規模は大きくはない。規模の大小やポピュラリティとは一見無縁の、気取りの無い瀟洒な神社は、しかし、古事記や日本書紀の時代から存在してきたのだ。

このような宗教観が在り、それを継承してきた文化の形式があることに改めて驚く。漠然としているにせよ、明らかに英邁なる哲学宗教観を伴う共通認識が民意の底に存在していた。往時に培養された意思が、境内の配置や雰囲気、そしてアーキテクチャという立体表現を通して、今日も我々を打つのだ。

熊野大社の主祭神は須佐之男命(天照大神の弟神)である。また、熊野大社は出雲国の「一の宮」(注1)に選定されている。

出雲も熊野大社もいいが、連れ合いの決意は朝ドラで脚光(?)を浴びた「シジミ汁」を食することだった。
宍道湖の周回道路には、「だんだん」という店名の食堂や、「シジミ汁」の看板が目につく。
私には普通のシジミ汁に思えたのだが、旨いといって譲らない。

画像は熊野大社「舞殿」。

注1:「一の宮」とは、ある地域の中で最も社格の高いとされる神社を指す。各国で一の宮を名乗り、かつそれが広く認められている神社を挙げると105社(複数ある場合は全て列挙。新一の宮は含まず)もある(Wikipediaより)。
過去に一の宮とされたことのある神社によって「全国一の宮会」が結成され、また、一の宮巡拝(注2)が行われるようになってきた。

注2:一の宮巡拝を行っている人々の集りとして「全国一の宮巡拝会」が結成されている。巡拝者は朱印帳を持って全国68箇所の一の宮を巡拝している。
以前、我家にWooferとしてバイクで訪れた宮城県出身のS君は、朱印帳を持って全国の一の宮を巡拝していた。そういった若者がいることに驚いたものだった。