ストレスはオイルライン全体に掛かっており、部分的な部品の交換は、劣化している部品に一層の負荷がかかることになり、オイル漏れを起こす可能性がある。
このような記述を目にしたことも、システム全体の消耗部品を交換する動機にはなった。
マスターシリンダーのオーバーホールである。
マスターシリンダーはステアリングの後にあるので、ステアリングホイール等を外さなければならない。
先にブレーキフルードは十分に抜いておかなければならない。それでも多少は漏れるので注意しておく必要がある。
ホーンスイッチは4つのピンで差し込まれて固定されているので、全体を引き上げると抜ける。
続いて、ホイールの中心にあるロックナットを外す。シャフトとはスプラインで勘合しているが、プーラを使わなくても引き抜ける。
樹脂製ステアリングコラムカバーを取り外す。
ステアリングコラム、ステアリングシャフトと繋がっている電装類のコネクターを全て切り離す。
ステアリングシャフト下にある、ユニバーサルジョイントと繋がっているセレーション部分にある取り付けボルトを外す。
コラムASSYと車体を固定している、下左のボルトを除く、3本のボルトを外す。
下左のボルト穴は切り欠きになっているので、ここのボルトは緩めるだけ、この切り欠き部をずらし、ユニバーサルジョイント部から引き抜くとコラムASSYは外れる。
取り付ける場合は、ユニバーサルジョイントに差し込んだ後、このボルトに引っ掛ける(仮止め)。作業能率がいいように考えられているのである。
ブレーキパイプを固定しているフレアナットを緩めて、ブレーキパイプを外す。
ブレーキブースターよりマスターシリンダーを外す。
マスターシリンダーから顔を出しているプライマリーピストンを押し込みながら、マスターシリンダーボディ横にあるセカンダリーストッパーネジを外す。
これで、セカンダリーピストンも出てくる。出ない場合は、セカンダリー側のフルード口からエアーを送ると簡単に出てくる。
新品のピストンに組み込まれているラバーカップにラバーグリス(同梱)を薄く塗り、セカンダリーピストン、プライマリーピストンと挿入する。
プライマリーピストンを押し込みながら、セカンダリーピストンストッパーネジを締め付ける。
マスターシリンダーをブレーキブースターへ取り付け、ブレーキパイプをマスターシリンダーに取り付ける。
この状態のまま、全ての消耗部品を取り付け、フルードを入れ、エアー抜きを行い、マスターシリンダーのブレーキパイプ取付け部からのフルード漏れが無いことを確認し、ステアリングコラム、ホイールを取り付ける。
マスターシリンダー内のラバーカップは綺麗で、目視による問題点は認められなかった。まだまだ使えそうな雰囲気であった(使うということではないが)。
ステアリングホイールとステアリングシャフト、ステアリングシャフトとユニバーサルジョイントの接合部には、白の修正液等で合わせマークをしておくと作業が早い。
マスターシリンダーの交換は、ラオスでのビートル以来である。
ラオスでは、純正のブレーキパイプなど無いかわりに、真鍮パイプが売られている。これを必要な長さだけ買ってくるのだ。
真鍮パイプにフランジング加工をし、フレアナットでマスターシリンダーに取り付ける。フレアナットネジ部には、漏れ防止にシリコンテープではなく、日本でも園芸などで使われている、フカフカのプラスチックロープをほぐして巻きつけるのだ。怖くて急ブレーキは踏めない。
わが国では、がんばって15年も乗れば良くやったという感じだが、ラオスに持っていけば、15年車でもこれから活躍期に入る。
私が4駆を探していると聞いて、知り合いのラオス人が、第2時大戦中のソビエト製のジープ(?)を綺麗に乗れるようにしたのがあるからどうだと言われて驚いたものだった。