ソーダストプロトタイプストーブの燃焼試験を行った。
室内試験では、煙突のセッティングの問題と、熱の問題があるので、天候を見計らって屋外で行った。今回の主目的は、燃焼の度合いと燃焼時間の確認である。
基本設計は英国FULGORA STOVES LIMITED社のソーダストストーブと同様なので、うまく燃えてくれるだろうとは思ったが、実際に試して見なければ実感として掴めない。
確認しなければならない事項として、引出し式の空気取入れ口と、2箇所に設けた排煙口の機能がある。
先ず、煙道確保棒を、インナーケースの底板中央の穴にセットし、ソーダストをケースに詰める作業を行う。
ソーダストは、ハードウッドの縦挽き、横挽きから生じたもので、製材所からでる杉の大鋸屑よりも目が細かく、若干パウダー状である。家具材としての人口乾燥材であるから乾燥は十分である。
途中何度かソーダストをプレスして詰めていくが、直径350㎜、高さ600㎜のインナーケースには、想像以上に詰まる。上縁から60mm位の所まで詰めたから、およそ90%の充填率である。
煙道確保棒の体積を除けば、50L前後入ることになる。
画像1番上は、その状態でインナーケースをストーブ本体にセットした所。画像2番目が、煙道確保棒を抜いた所である。
本体高さが900㎜あるので、結構重いインナーケースを本体にセットするのは大変だった。
煙突は2本繋いだ。長さは1900㎜である。
空気取入れ口は、試験の全行程を通じて、6~80mm開いた状態にした。ほぼ全開に近い状態と考えていいのではないかと思う。
手違いから煙道内部に上手く灯油が入らなかったために、燃えつくまでに手間取った。ただし、灰受けを兼ねた引出し式の空気取入れ部の意外な機能を発見した。この上に木屑を載せ、火を付けて挿入すると、煙道下部に容易に点火することができたのである。
最初は上のダンパーを開いて点火。試しにダンパーを閉めると煙が上蓋から立ち昇ってくる。煙突を含め、全体が十分加熱された後にダンパーを閉めると煙は漏ない。そして暫くすると、下の排煙口までの間のストーブボディが熱くなってくるのが判る。
燃焼ガスの反転によって側面からも熱放射が行われているのだ。
画像3は、煙道から立ち昇る炎。蓋を開けた直後はバーナーのように勢がある。
午前9時20分燃焼開始。
画像4は、点火後、約2時間経過後のソーダストの状態。
6時間後もソーダストはまだ十分残っている。ただし、この頃から火力は落ちてくる。
画像5は、およそ8時間後の状態である。
その後、崩れ落ちてドーナツ形状が崩壊したがまだ残り火がある。
午後6時半を過ぎようとしており、完全に燃え尽きるのを待たずにストップした。
(ここでは燃焼時間の短長を競うものではなく、実用燃焼時間の確認をしたいためだからである)
燃料の質の問題。
燃料の乾燥の問題。
外気温の問題。
排気(煙突の高さ断熱等)の問題。
室内容積の問題。
住宅断熱の問題。
などで、状況は変わってくるが、今回の試験では、6~7時間は実用範囲にあるのではないかと思われた。断熱の良い家屋では8時間でも保温として機能している可能性は高い(ただし外気温にもよる)。
今回は、途中で空気取入れ口を絞ることはしなかったが、絞れば燃焼時間は更に延びるはずである。
このストーブの燃焼時間は、容器の直径に因り、熱量は高さに因る。
元来、このストーブはワークショップ用であるから、この高さに因る熱量は住宅用としては多すぎるのではないかと思われた。
兎に角、このソーダストストーブを使えば、何度も薪を入れるという煩わしさから開放されることは間違いない。
今回の試験で判ったストーブ各部の細かい問題点を改良し、再度燃焼試験を行う予定にしている。