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    2010/03/29  斑鳩にて (2)
    2010/03/16  電気自動車は使えるのか (0)
    2010/03/14  植物由来の超強力接着剤の開発に成功 (0)
    2010/03/13  駿河沖は凪でいた (0)
    2010/03/11  寡黙に・・ (0)

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大仏伽藍内にある土産物屋。
SAMURAIと大書きされたTシャツが並んでいた。明らかに海外からの観光客をターゲットにしている。

下品だった。せっかくの歴史的遺産が台無しである。
こういった貴重な財産の内部に、何故、夜市の出店のような下品で無節操な土産物屋を設置するのだろう。

理解ができない。

偉大な世界的文化遺産を受け継いだ我々にできることは、できるだけオリジナルに近い形で保存し、後世に残すことだろう。
そのためには、場違いな土産物屋を伽藍から撤去し、静粛な空間を取り戻すことが大切ではないかと思う。
静謐な内部空間で、歴史的遺産と静かに向き合いたいのだ。

土産物屋は、広い境内のどこにでも置ける。
また、伽藍内部に取り付けられている様々な機器類もできるだけ目立たないよう設置すべきだと思う。

その日は雨天。
回廊(?)には多くの人々が溢れていた。
その中に、傘をたたまない、けばい姉ちゃん、子供に傘をたたませない能天気な親達がいる。
・・言葉も無かった。

オジジのセコイ憤懣は兎も角・・
雨に煙る向こうに、圧倒的な存在感で大伽藍はあった。

斑鳩にて

2010/03/29

展示会の帰路、奈良を目指した。
高速を行き来する機会があっても、なかなか立ち寄る事はない。
今回は、大阪から九州へのフェリーの出発時間まで時間を取った。

奈良を訪れるのは中学校の修学旅行以来だ。
多くの社寺があって迷うが、取りあえず、東大寺と法隆寺だろう。

南大門と大仏殿は想像を超えた大きさで雨に佇んでいた。
もう、言葉や余計な解釈は要らなかった。
この存在が奇跡だと思った。
よくぞ、残してくれたものだ。

ただ、日本神道の神々を蹴散らす、怒涛の仏教文化を見せ付けられたような気がして、少しばかり神道系が気の毒に思えた(決して大仏殿への否定的な思いではないが・・)。

そして、正倉院。
はっきりいって、この建物はいい。
佇(たたず)まいがいい。
無駄を省いた機能美が実にいい。

そして、斑鳩に向かった。

狭い路地と、駐車場の無さに難渋しながら踏み込んだ法隆寺空間は、ぽっかりと切り取られた静謐の中で寡黙に私に迫ってきた。

境内全体の落着いた印象、精緻な空気感、素朴で単純だが実直な土塀、建造物の意匠の高邁さ、構造の説得力、シンプルで統一感のあるディテル、仕事が現す匿名の工人達を統べる道徳観。

このような「場」(地域)に、このような学究の「場」(施設)を設けた事も ―
時代を超えて追加されていった建築群が、ほぼ一定の様式の基に、秩序をもって構成されていることも ―
そして、すでに、構造がフォームとして一定の標準化を成していることも驚きだった。

全体の印象、建物のバランス、構造、ディテルは実に多くの啓示とインスピレーションに満ちていた。
私の作る厨子か仏壇か知らないが、あんなのものは「ハナクソ」だ。

早朝の伊勢も出雲も感動的だったが、斑鳩の里も同様だった。
再度、出かけたいと強く思った。

電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)をタクシーとして採用する動きが加速しているそうだ。

特に、神奈川県では急速充電の整備状況が目標以上の達成度を見せ、同県の呼びかけに対し、県内のタクシー事業者各社もEVタクシー導入に積極的だという。

所で、EVにとっては、冷暖房が大きな問題であり、特にヒーターを使えば、走行距離が極端に低下するという事実を、ほとんどのマスコミが触れていないのはどういうことなんだろうと思う。

三菱自動車が2009年7月に発売した電気自動車「i-MIEV」の場合、
・バッテリー容量:16kWh
・走行距離:160km(フル充電時、ただしエアコン・ライト・電装品など未使用?)
・充電時間:通常8時間、急速充電30分(8割まで)
・価格:459万9000円(税込)
 国の補助金139万円+地方自治体事の補助金有。神奈川の場合実質購入価格 約250万円

外気温によっても変わるが、「i-MIEV」の場合、ヒーターを使うと、3割以上の走行距離減になるとも言われている。すると、Max160kmが110km前後まで引き下がり、ヘッドライト等を使う夜間なら更に下がる。

従来のリチウムイオン電池の寿命は、充放電の繰り返しサイクルで長くても 1000回。これを越えると交換が必要になる。電池の寿命が1000回だとすると、ほぼ毎日充電した場合、だいたい3年に一回は電池の交換が必要となる。
急速充電だと寿命は更に下がる。

また、一般のリチウムイオン電池は、急速に充電したくても安全性の問題から急速充電時間には限界がある。
急速充電でも30分(8割まで)を待てるか?。EVを否定しているわけではないが、私は待てない。

さらに、出力特性だが、外気温が-10℃程度の場合、一般のリチウムイオン電池では放電容量が大幅に低下する。つまりパワー不足となる。
次に入力面(充電)についてだが、一般のリチウムイオン電池では、低温で急速充電を行うと電池が破壊されるために制約が必要となる。

普及のために自治体が採用するのは目をつむっても、民間タクシー業界が導入を進める理由が判らない。

東芝の「SCiB」等、改良されたリチウムイオン電池も出てきてはいる。今後も様々な改良バッテリーが登場するだろう。それでも、冬季の実用性には疑問が残る。

以前、ビートル用の灯油(ORガソリン?)燃料のストーブ(ヒーター)があった。これを燃して暖をとるのだ。
皮肉で滑稽な話だが、将来、EV用灯油ヒーターがショップで売り出されるかもしれない。そして、そちこちのブログで「結構いいですよ」などと、使用感が述べられたりするのだ。

仕事上、バッテリー式電ドラは無くてはならない工具である。
急速充電15分だって待てない。やはり、予備バッテリーの即時交換による作業継続しかない。
EV実用化への現状での解決案は、バッテリーを規格化、カートリッジ式とし、バッテリーステーションにおいてのワンタッチ交換だろう。
(日産が試みている?)

長くても数分での交換作業完了。
バッテリーは、後ほどゆっくりと安全速度でチャージするのだ。

北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科・金子大作助教授は、あらゆる植物に含まれる分子を高分子化していくことにより、接着強度が既存の瞬間接着剤の約2倍もある植物性接着剤の開発に成功した。

この新接着剤は、従来の接着剤とは全く異なる接着機構を持ち、ガラスや種々の金属など、有機・無機材料を問わず、あらゆる材料を強固に接着することができる。また、植物由来のため環境負荷の低減と人体への安全性も期待できる画期的な接着剤といえる。

これは、植物の細胞壁に含まれる原料(カフェ酸・パラクマル酸)を用いた、カテコール性の接着剤である。
カテコールとは、ベンゼン環にOH基が2つ付いた化学構造を持つ物質で、耐熱性があり、有機・無機表面を問わずにあらゆる材料の表面に分子レベルで強固に接着する。

例えば、ムール貝はドーパと呼ばれるカテコール性のアミノ酸を出し、岩盤や船底などあらゆる表面に強固な接着をする。
また、日本古来より用いられてきた漆は接着剤としても利用されて来ており、主成分のウルシオールもまたカテコール性分子である。
この様に自然界には、カテコール基の接着性を利用した接着機構が存在している。

金子助教授が開発した新接着剤も、接着メカニズムは完全には解明されていないが、カテコール基という分子構造の働きとみられている。

「5センチ角の接着面でゾウが持ち上がる」(同助教)という。住宅の内装向けのほか、自動車の車体の軽量化などに応用が期待できる。
現在、高コストが課題で、現時点で市販すれば、価格は既存商品の約10倍程度になるという。

カテコール所で、図のようにウルシオールはカテコールと非常に構造が近い、いや一種のカテコールである。
私は、ウルシの接着力を把握していないが、木工への可能性もありそうである。
硬化したウルシは、フレキシビリティに欠けるから椅子の接着には向かないか?

接着剤としてのウルシについて詳しい方のコメントをお待ちしています。

個展のために、東名高速を都内へ向かっていた。
4台が巻き込まれた事故処理の渋滞が終わってまもなく、東名高速「清水-富士」間(記憶曖昧)の閉鎖情報が示された。
当初、理由は表示されなかったが、その後、大津波警報に伴う防災対策ということが分かった。

静岡付近(?)で降ろされ、暫らく走るとまったく動かなくなった。
カーナビを頼りに、脇道に入り、少しでも国道の先に出ようとするのだが、国道との合流点が詰まっていてほとんど動かない。
時間ばかり過ぎた。

所で、海岸部を走る東名が交通止めということは、同様に海岸近くを走る国道1号も閉鎖される可能性が高いのではないか?。
今はまだ閉鎖されてはいないが、もしも止められたら、今夜中に都内へ着けないのではないかという不安がよぎる。

この地区は、東名と国道1号以外に東進する国道がないのだ。
国道閉鎖の見通しは分からなかったが、ナビを頼りに、大きく山側に迂回し、富士インターの先へ出ることにした。

ナビの示す道はどんどん山へ向かい、周りにはミカンが広がる。
道は狭く、ひどい昇り下りが続き、荷物の家具が心配だったが、どうしようもない。
進むしかなかった。
そのうち、前後には車4台が繋がった。皆、ナビを頼りにここに集まってきたのだろう。

やがて、眼下には広く凪いだ駿河湾がおだやかに広がった。
遂に我々は、ミカン山の農道を山頂まで登って来たのだ。
人生は先が見えないが、まさか、静岡県のミカン山を登るとは思わなかった。
駿河湾の眺望はすばらしかったが、これを幸せに感ずる瞬間に見たいものだった。
(ただし、もう遠慮したい)

山を降り、目指す国道52号線に到達した。
右折すれば規制の先へ出られるはずだが、渋滞が激しい。
渋滞よりも動くことを優先したため、左折して甲府に向かうことにした。
中央高速から都内に入った。
予定を6時間以上遅れた。

悪夢のような夜になった。

寡黙に・・

2010/03/11

靖国神社遊就館を訪れた。
ゼロ戦を見るためである。

始めて見る「零式艦上戦闘機52型」は、靖国神社遊就館のロビーに置かれていた。
あっけなく目の前に現れたゼロ戦だった。
機体側面の日の丸が鮮やかに飛び込んできた。
その姿に、ちょっと感動した。
「おぉ」って感じだった。

それまで目にしてきた写真のゼロとはまったく違った。
様々な思いが浮かんでくるが、一言で言えば、

「洗練」

そこには、世界を席巻した、当時最先端のエアクラフト技術の粋が佇(たたず)んでいた。
機能がそのまま形態を決定した戦闘機としての造詣。

画像では絶対に伝わらない。
現物だけが伝える重み。
様々な概念が結晶化している。

設計者の思い、エンジン、機体の製造能力。
設計に課せられた数え切れない機能を、この造詣に集約した設計陣と、量産した当時の技術力、広い裾野を必要とする工業力に改めて思いを馳せる。

厳しい機能要求
高い設計能力
広範な周辺技術
加工技術
製造(量産)技術
製造装置を支えるマザーマシン
品質管理
整備性

よくやったものだと思う。
勿論、途上技術も多々あることは理解している。その上で、これだけのものを製造し得たことに、そして、結果を出し得たことに誇りを禁じ得ない。

プロペラの奥にはシンプルな副列の、ラジアルエンジンがあった。
整備性も極めて高そうである。

所で、以前このブログで書いた、プロペラの反トルク対策であるが、垂直尾翼は、「日経Tech-on」での記事のように、尾翼断面が左右非対称であるようには見えなかった。
改めて調べたのだが、垂直尾翼後縁に取り付けられた固定タブの角度を調整し、トルク対策をしていたようである。
当然、エンジンや垂直尾翼のオフセットはなし。

今回は元工業デザイナーとして、秀逸な日本の工業生産品を眺めたつもりである。

しかし、遊就館に展示されている特攻兵器には苦い思いを禁じ得なかった。
戦いは避けられない場合がある。
しかし、人命を賭した特攻はいけないし、許されるものではないと思っている。
ゼロ戦パイロット坂井三郎も反対し、現場の士気が下がったと著書の中で述べている。

ともあれ、多くの犠牲を強いたが、我国の戦いをもって西欧の植民地支配が終焉を迎えたのは、間違いのない事実である。
これはもっと評価されていいと思っている。

零式艦上戦闘機遊就館のゼロ戦52型。「happyleaf’s blog」さんの許可を得て掲載しました。