玄関先の植え込みの中から野鳥のヒナが現れた。
飛べるわけではなく、ひよわく羽ばたきながら、よたよたと、それでも必死に逃げ回るから、捕まえるのに少しだけ手間取った。
自動で吐き出される回転寿司のシャリのように小さく、軟らかい。
巣立ち間近か?。まだ産毛が残る。どうしたのだろう。
すると、同じ方向から、次の一羽が現れた。
慌てて確保。何かに追われたのか?
連れ合いが出てきて、「まぁ~、可愛い~~」。
飼わなきゃと、入れ物を探しに走る。
「おい、おい」
飼うといっても問題だが、かといって、このままでもマズイだろう。
巣も見当たらない。
取り合えず、ザルに入れて玄関に置いた。
餌も分からないので、「日本野鳥の会 熊本」を検索した。
連絡先があったらアドバイスを頂こうと思ったのだ。
所が、サイトの目立つ場所に、「ヒナを拾わないで」とある。
[以下引用]
身近な場所でも、鳥たちのさえずりが聞かれ、かわいいヒナに出会うこともあるかもしれません。
野鳥のヒナはまだ上手に飛べない状態で巣立つことが多いのですが、そのようなヒナでも多くは親鳥が食べ物を運んだり安全な場所へ導いたりして育てている最中なのです。
明らかにケガや病気とわかるものでないヒナを迷子だと思って拾ってしまうと、親鳥から引き離してしまうことになりかねません。
Qヒナを見つけたときは、どうしたらよいのでしょうか?
A巣立ち直後のヒナはあまり動きません。親鳥は人がヒナの近くにいると警戒して近づけないので、その場を去る方がよいでしょう。
Qネコやカラスに食べられないでしょうか?
A心配でしたら、ヒナを近くの茂みの中に移しましょう。親鳥は姿が見えなくても、ヒナの声で気づくことができるでしょう。
Q人がヒナを育てることはできないのですか?
Aたくさんの虫を与え続けるなどすれば、育てられることもあります。ただ、自然界では巣立ち後に親鳥と過ごすわずかな期間(1週間から1ヶ月)に「何が食べ物で、何が危険か」などを学習してひとり立ちするので、人に育てられたヒナが自然の中で生きていけるとは限りません。
[引用終了]
納得した。
庭のサツキの植え込みの根元に返し、彼らの運命に委ねた。
暫らく後、玄関のガラス戸の外を親が舞った。
探している!、判るのだ。
それから親は、戻した植え込みの付近へ移動した。
明らかに子供を認識している!。
1、2時間位経っただろうか。
住まいの脇の、刈り込んだサツキの上に小さな頭が跳ねた。ヒナだ。
親は時折出入りしている。無事に出会ったのだ。
[その後の経過]
次の日、親が青虫をくわえて戻ってきた。
サツキの脇のクルミにとまって砕くような素振り。
サツキに入った後、出てきた時には青虫はない。
さらに次の日。
小さなヒナ(幼鳥)が、サツキの上に飛んできて、すぐに去った。
おそらく、彼らだ。
巣立ち直前の最後のプロセスに出会うことができた。
何だかすがすがしい気分に浸れた。
WEB野鳥図鑑で調べると、この鳥達は「キビタキ」だった。
画像は、「デジタル図鑑」からお借りしました。