アールズコートでは日本車が実に少ない。
ディテールをこね回し、クルマ全体から放射する個性がない日本車。そんな車ではなく、個性が明瞭で、全体とディテールがバランスし、シンプルな車が多い。目立つのはBMW、アウディ、ポルシェ(全てドイツ車!)。
このような、奇をてらわないものを選ぶ国だから、私の椅子も評価してもらえるかもしれないと、準備をしながら話していた。
誤解しないで欲しい。
出展を控え、スタンダードやトラディショナルにこだわり、最新トレンドとは乖離しているかもしれない私の椅子について、安心できる理由を探していたかもしれなかったから。
様々なダイレクトな評価を頂き、好意的なものも多かった。
好意的な意見は嬉しかったが、関心の高い方が立ち寄って下さるわけだから、鵜呑みにし図に乗るのは自戒した。
マスプロダクションとクラフトの融合、英国様式とジャパンの融合、モダンとトラディショナルの融合と、いってくれたデザイナーがいたが、概ね、そのような意見が多かった。
このようなスタンダードな椅子のほうがいいのだという意見も多々あり、大いに勇気付けられたりもした。
そして、最も関心を示したのは、アマチュアを含む地元のウッドワーカー達だった。
遠くは、スコットランドなどからやって来たウッドワーカーも結構居た。英語と思えないほどの北部訛りには閉口した。
何度も来た方、長時間居た方、裏を見て良いか、ひっくり返して見ても良いかと聞いてくる方、加工のやり方を尋ねる方々。
そして、彼らにとって、ウィンザーチェアーが、グリーンウッドワーキングの椅子であることが普通に認識されていることに、改めて納得した。
少しインフォーマルないで立ちのビジターが来ると、我がスタッフは、「同業者よ」という。
オーダーとは縁の無い、同業者との話が多いという、ワタクシの展示会の特徴は、ここ英国でも例外ではなかったことに、自嘲した。