この橋はどうやって作られたのか?。
感心しているばかりではいけない、しがない木工屋としても、そこの所が何故か重要なのだ。
概念設計。
設計手法。
部材の寸法管理、クォリティコントロール。
施工管理。
全てに、高度な経験と技術が必要である。
非常に優秀な技術者がいなければ実現は難しかったはずだ。
以下は実際の設計・製作過程。
1. 構造図を参考に現寸大の図面を描く。
2. 現寸大の図面から部材ごとのテンプレートを製作(テンプレートは変形の少ない木材を使用/現在はヒバ材・画像上)。
テンプレートを実際に並べて加工誤差を調整する(画像中)。
テンプレートには、各部材の詳細や橋全体の情報を書き込み、エラーの発生を防止。
3. テンプレートを木材に当て、墨付(形状転写)の後、加工。
4.仮組(アーチ部分のみ)。加工された部材はまず、地上で仮組し(陸組ともいう)、調整を行う(画像下)。
5.実際に橋脚上で架橋。
やはり、原寸図を描いたのだ。
円弧状などの巨大建造物は原寸作図を行うのが、最も正確に各部寸法を得ることができる。
所で、円弧の正確な作図は、たいへん重要なポイントである。それはどのように作図されたのであろうか。
私が考えるのは以下の2点。
1.巨大なビームコンパス、と言っても単なる長い板(もしくは紐類)を用い、紙上に円弧を描く。
2.墨を浸した紐を下げ、スパンと高さの3点を通る円弧を紙に転写する。この場合、円弧と書いたが、実際は円弧ではなく、カテナリー曲線となる。
「錦帯橋恐るべし 1」では、カテナリーについて適当なことを書いたが(敢えて修正しない)、作図方法によっては、学者が指摘するように、アーチ部分はカテナリー曲線の可能性もあると思う。
英知、そしてロマン。時代を超えていつも素晴らしい。
画像は、岩国市公式ホームページ「錦帯橋」より転載させて頂きました。