20年位前に制作した、スラットバックチェア。
当工房の椅子ブランド、「スタンダードチェア」の、全てのスタートは、このグリーンウッドワーキングが起源の椅子にある。
これは、知人にプレゼントしたもの。
この椅子を現在使用している、知人の息子が、編み直しのために、持ち込んだ。
長い間、屋外で使用されてきたという。
プレゼントしたものだから、制作者の私が、文句を言う立場には無い。
しかし、雨と紫外線でボロボロになったこの椅子を見たときの複雑な感情は、このような使い方をすることに何の疑問を抱かない送り主には理解されることは無いだろう。
画像では分かりにくいが、風雨紫外線によるフレーム表面のダメージはひどい。
ペーパーコードは国内産。雨に当たってきたため、かなり膨らみ、切れているが、私のサイトに載せたものと同じ工法で作ったフレームに、まったくガタはない。
トップスラットの抜け止めに打ち込んだダボは、浮き上がっているから、脚は収縮しているのである。
つまり、脚の収縮は、同時にストレッチャーを締め、強固なジョイントをキープしていることになる。
編み直しの意欲は、暫く涌きそうにないが、お蔭で、過酷な環境を経験したこの椅子の、歴史が培った構造上の完成度の高さを実感する事になった。
注:スラットバックを知らない方へ― この椅子はシェーカーの椅子のコピーではありません。ラテン諸国(地中海沿岸諸国)が起源の、シェーカーの椅子の原型です。