原発問題では、民主党やマスコミは、「人命尊重」や「国民の安心と安全」というフレーズを多用する。
この切り口には、誰も反対できない。
定期点検中の原子炉の再稼働は非常に難しく、簡単に認められる県はどこにもなくなる中、現在稼働中の炉も続々定期点検に入る。
反原発派からは、「脱原発は意外に早く可能」だという発言が出ているが、こうなると、2012年前半には全原発炉は停止状態になってしまう可能性は高い。
海江田経済産業相は、6/18日、福島第1原発事故のような、シビアアクシデント(過酷事故)対策について、原発への立ち入り検査を行った結果、「水素爆発などへの措置は適切に実施されている」と評価。
「運転停止中の原発の再稼働は可能」との見解を示した。
しかし、管総理による浜岡停止要請との矛盾もあり、反原発を掲げる地元住民や、マスコミの理解を得ることは困難だろう。
こうした状況に対し、「エネルギー政策の全体像を考え直さないと産業の競争力が低下し、企業が国外へ出て行く」という意見には、フォーカスが当たらない。
(左翼マスコミは意図的に当てないようにしている?)
産業界は「脱原発」の世論を恐れ、ダンマリを決め込んでいる。
「エネルギーの安定供給に、原発は必要」を口にしようものなら、商品が不買運動にあったり、非難メールが殺到し、企業イメージの低下を恐れている。
そんな気配さえ感じる。
地元が原発の運転再開に反対する背景には、マスコミの過度に危険を煽るヒステリックな報道の影響は大きく、原発の不安要因を煽るブログも同様である。
NHKが浜岡停止の直後に行った調査のように、「浜岡の停止に、YesかNoか」とか「原発は拡大、維持、縮小、廃止のどれか」などという単純な質問で、中長期の日本経済の盛衰が決定されるようでは困る。
白黒ではない、原発政策に関するアンケート項目(一例)、
(1)国際競争力も生活水準も低下して構わない。即時原発廃止。
(2)原発廃止を前提とするが、産業の競争力と国民の生活水準を維持しつつ、エネルギーの多様化を計る。
(3)電力需要に不安のないよう発電量を設定し、そこから許される原発による発電量を逆算すべき、
(4)津波の危険性が低い原発は従来の基準で再稼働させる。等々。
このような選択肢で調査をすれば、ヒステリックな原発廃止ではなく、世論の多様さを、もう少し冷静に明らかにできると思える。
原発に限らず、縮小と廃止が圧倒的多数という結果を、「世論調査結果」として権威付けてしまうというような無責任なあり方を見直さなければならないと感じる。
誰も、このまま日本が衰退していくことを望んではいない。多様な民意をきちんと提示し、評価することが、現実的な解決に繋がると思う。
兎に角、エネルギー危機によって引き起こされる、日本の国力の低下が最大の心配事である。
原発廃止を前提とし、産業の競争力と国民の生活水準を維持しつつ、エネルギーの多様化を計っていくことが当面のあり方であり、そのため、現在の電力消費を保障する最低限の原発の稼動は認めつつ、代替エネルギーの確保、開発に全力を傾注すべきだと思うのだが―。