2005年10月
  1. 2005年10月28日: コンピューター制御とコイル巻直し屋 (0)
  2. 2005年10月26日: 犠牲 (0)
  3. 2005年10月23日: 自家醸造 (0)
  4. 2005年10月20日: 象使いの嫁 (0)
  5. 2005年10月17日: 田舎で暮らす・補足 (0)
  6. 2005年10月16日: 田舎で暮らす (0)
  7. 2005年10月15日: テールライト (2)
  8. 2005年10月10日: 自ビール悲し (0)
  9. 2005年10月09日: 織り物 (0)
  10. 2005年10月02日: デザイン統一 (0)

コンピューター制御とコイル巻直し屋

2005年10月28日

ホンダ、ガソリンエンジンを使った圧縮着火の検証に成功。という記事をネット版日刊工業新聞で読みました。実用化すればディーゼルエンジンと同等の燃費を実現できますが、あくまで部分的実験で、システム全体での検証ではないため実用化は「まだまだ先」とのことですが、久しぶりにわくわくする技術情報でした。永い間実現困難だった技術です。実用化が楽しみです。

圧縮着火とはディーゼルエンジンと同様、圧縮熱で混合気を発火させる仕組みです。燃焼が一様に広がるため、ピストンが上死点に達した時に最大効率を実現。そのためスパークプラグでガソリンと空気の混合気に着火する従来のガソリンエンジンと比べると、燃費効率を大幅に改善できるというものです。

また、最近フランスのメーカー製電磁式バルブの採用を複数の自動車メーカーが決定という記事も出ていました。電磁式ということはカムが不要(?!)です。そのためにメカニカルロスが低減できて燃費も2割程度向上するそうです。

点火時期、噴射タイミング、バルブタイミング等、全てコンピューター制御されるという、一昔前までは考えられない時代になったものです。
少しばかりメカ好きの私などがさわることのできる時代ではなくなりつつあります。それができるのは、せいぜい古い単気筒のモーターサイクル位でしょうか。

ここラオスでは、今だに壊れた古いモーターや自動車のスターターは、ばらしてコイルを巻き直して使っています。必要な部品は機械加工で作ります。冷蔵庫の封印されているコンプレッサーもケースを切断して修理するそうです。新品が高くて買えないために何でも修理をしますし、トライもします。
SV仲間が公用車の三菱パジェロを使用中に、田舎でカムシャフトが折れたそうです。そこにあった修理屋は、似たようなシャフトを探してきて取り付け、何とか地元近くまでたどり着いたそうです。どうして折れたのかも不思議ですが、取りあえず直した方も大したものだと言わずにはおれません。

ここでは日本の古い時代、下町にラジエターの修理屋やモーターの巻き直し屋、シリンダーのボーリング屋、板金屋があり、エンジンオイルの臭いが漂い、近くの酒屋では帰宅途中の労働者が、焼酎のぐい飲みをしていた賑わいの頃と同じような風情があるのです。

注意:昔の日本と違い、酒屋で立ち飲みの労働者というのはいません(酒好きの私による若干偏った表現)。ただし、夕方の早い時間からビールを酌み交わす男達は結構います。経済的には豊かではないのかもしれませんが、良い時代であるのかもしれないなと、しみじみ思います。

犠牲

2005年10月26日

以前、心臓外科医の南淵明宏氏が、手術の巧拙とはトラブル発生の予測から回避であって、そういった能力は失敗を経験しなければ身につかないものであり、多くの経験によって培われたものである。それはある程度の患者さんの犠牲の上に成り立っていると述べていました。

それはまさしく、家具を作る我々にも当てはまることです。

失敗をうまくカバーして作り上げるという直接的なトラブルシューティングはいうまでもありません。
永い仕事の歴史からその人(作家、職人)の製作フォーム(作り方)が確定されてきます。その過程において、様々な模索、失敗、改善が行われ、作業の無駄が除かれていくわけです。これが技能習得の歴史であるのです。

また、新しいデザインを試みる場合は個展などで成果を世に問うことができます。そうではなく、いわばマイナーチェンジの場合、その試みが成功すればいいのですが、自分では納得できない結果もあります。自分がこだわるほどお客さんは気が付かないかもしれませんが、納得できない場合は多少心苦しい気持ちで納品するというケースもあります。

自分の稚拙さをカバーするような素晴らしい作品を提案できる方も見受けられますが、多くの場合、特に木工の場合は、職人的な側面が色濃く投影されているわけで、技能習得のためには多くの失敗を経験します。

他の工房や家具製作の現場で伝統的な手法を学んだ場合は(伝統的ではない場合でもいいのですが)、そこで培われたフォームを学びますので、訓練校を出てすぐに工房を始める場合よりは見習いとしての苦労が多いぶんだけ自分のフォームにたどり着くまでの時間は少ないといえるかもしれません。

いずれにせよ、お金を頂きながら仕事から学び、失敗や技術の向上のための保障はお客さんにお願いしているわけです。いわば、お客さんの犠牲の上に成り立っているわけです。
その犠牲を無駄にしないよう、感動を与えられる作品に仕上げられるよう、また、お客さんのイメージを超える作品を提示できるよう、作品に対し、努力を重ねているつもりなのですが・・。

自家醸造

2005年10月23日

田舎暮らしの目的の一つに、自分でドブロクを作ってみたかったということがありました。移り住んだ田舎ではドブロクの伝統が生きていました。想像したとおり、田舎は自家賄いの現場だったのです。

日本酒が甘いというのは間違いだということも判りました。巧く出来たドブロクはフルーティで、ビールを飲んだ後でも甘くは感じません。ある蔵元の経営者に言わせると、ドブロクは精米率が低いために旨み成分は多いし(ただし悪酔いの原因)、熱処理をしていないために発酵による炭酸ガスが含まれていて、それがピリカラの原因(ドライ)になっているとのことです。
いずれ蕎麦、粟、稗などを用いて発酵させてみたいと思っています。
失敗しないドブロクの作り方は、九州木工通信 07 「安全確実、失敗のすくないドブロクの作り方」

ドブロクが失敗した時には焼酎にしました。圧力鍋にドブロクを入れ、おもりの所からホースを引いて氷水に潜らせるとアルコールを含んだ水蒸気は冷やされて液化します。焼酎の出来上がりです。最初に出てくる焼酎は度数も高く濃厚芳醇です。
シリコンホースを用いてもホースの匂いが出てきますので、解決方法としては、圧力鍋を湯銭にするか、銅パイプを使うしかありません。多少面倒です。

また、柿に砂糖を加え、つぶしてほっておくと柿ワインができます。酵母は柿の皮に付いているので自然に発酵します。ただし、あまり旨くはありませんでした。
柿は葡萄ほど糖度が高くないので同じ程度に砂糖を加えるのです(糖度表は現在手元にありません)。

さらに、サワー程度の濃度の焼酎割を作り、ビール瓶にティースプーン1パイの砂糖、イースト極少量を入れて打栓し、発酵を待つと酎杯ができますが、イーストの違いによって風味が変わってきますのでお勧めしません。

様々トライしましたが、結局、一番簡単な自家醸造は伝統のドブロクだと思います。雑菌さえ注意すれば確実に出来ますから。

出来たばかりの日本酒は、度数が20度位あります。これは非蒸留酒としては世界最高レベルです。この清酒にわざわざ水を加え、14、5度程度に落とし、それはせっかくの芳醇な香りをも削いでしまう方法で、「ふなくち」を飲めばその旨さは判ることですが、それを有難がって飲むのは実に理解に苦しむのです(こんなことを書くのはひんしゅくでしょうか)。

象使いの嫁

2005年10月20日

象の話で思い出すのは、日本からタイへ象使いの嫁としていった女性のことである。TVで放映されていたのを見たのだ。

記憶は定かではない。彼女は高校にはあまり行かなかった。人との付き合いが苦手だった。そんな彼女がタイに行き、象の世話をするうち、象使い見習いの若者と恋に落ち、妊娠した。

象使いの親方は、まだ早いと二人の結婚を素直に祝福しなかった。二人に資金的な余裕はなかった。
出産予定日、母親が日本から来て付き添っていた。しかし、分娩室には入れなかった。無事出産は終わった。娘は母に、「ずーと一人だったんだよ。一人で不安だったんだよ」「どうしてこんなことになっちゃったんだよう」と泣いた。母は黙ってうなずいていた。

後日、日本から来た祖母が草葺の粗末な住まいを見、孫の不憫に溜息をついた。その時、孫娘は調子の思わしくない我が子を一晩介抱し、乳を飲ませていた。そこには自分の運命を呪ったか弱い女性の姿はなく、乳飲み子を庇護する母の姿があった。
僕は、この若い母が、日本から遠く離れたタイの田舎町で生きていけることを確信した。

そういえば、マレーシアに赴任していた時、JICAの保健担当の日本女性はマレー人と結婚し、数年間は電気も来ていない彼の田舎で、川で洗濯しながら暮らしたという。何か基本的に違うのだろう。女性は。

田舎で暮らす・補足

2005年10月17日

老後のことを考えるとき、都会が良いという最大の理由は病気への心配だと思う。
ただでさえ田舎、僻地、山間部の医療に対する心配は大きいのに、補助の削減傾向で、将来更なる医療サービスの低下が心配される状況にある(この問題はさておき・・)。

都会の良さは、行かなければならないときに病院が近くにあるという安心感である。足腰が衰えても簡単に行くことができる距離に病院、薬屋、コンビニがあり、按摩指圧マッサージ屋もある。惣菜も弁当も簡単に買える。

一方、我が部落はどうだ。
もう亡くなったが、隣部落の和尚さんは、生前、いつも車で町まで出かけていた。彼の運転はすこぶる遅い、極端に遅い。田舎道は狭くて抜けないから後に何台も農家の軽トラックが繋がるときがあった。皆、誰か知っているからクラクションも鳴らさず、じっと耐えて続いた。

少々危ないが、いよいよ動けなくなるまで田舎では車を運転することができる(と思う)。それだけ交通量も少ないし、皆が理解をするゆとりがある。このような田舎の特徴を考えると、田舎の街中まで多少の距離は大した問題ではないということになる。そうすると大抵の用は足せる。
ただし、どうしても車は必需品ということになる。

田舎によって事情は違うと思う。我が部落の個人的問題点を上げると・・
ブロードバンドが来ない。大きな本屋がない。スイミングプールがない。居酒屋に歩いていけない。平和だ。

田舎で暮らす

2005年10月16日

今も我が家には、田舎で暮らしたいという希望を持った人々が尋ねてくる。
田舎でモノ作りを目指すヤングもいるが、リタイヤ後、田舎で暮らしたいという中高年の御夫婦のほうが多い。

所が、我が家を訪れた方の中には、「田舎暮らしは良いけど若いうちね。老後は何でも近くで用が足せる都会でなくっちゃネ」とおっしゃる年配の方々もいる。

綺麗に整備された我々の敷地を見て「いいわね」と褒めて頂く場合は多いのだが、年数回の草刈は重労働である。加えて家屋のペンキの塗り直し、家の修繕、突発的に起こるポンプを始めとする故障の修理等々、しなければならない仕事は実に多く、荒れた状態を目の当りにすれば、少しは田舎暮らしは大変だと認識してもらえるかもしれない。
また、部落の付き合いもなかなか大変である。

このような状況で夫婦二人が年をとり、動くのもままになららくなったときのことを考えると実に不安である。「老後は都会」という考え方は理解できる。

では、地元農家はどうなってるのであろうか?。
跡取りがきちんと家業を継ぎ、孫が生まれ、爺婆の老後保障がなされている。このことが代々田舎暮らしを成立させてきた。
ただし、子供が跡を継がず、都会へ出て行ったきり帰ってこない場合は我々と同様である。しかし、我々と決定的に違うのは、彼らは古くから共に農業に従事し助け合ってきた歴史があるため、部落全体でかばうという相互扶助のシステムが、以前よりも相当希薄になっているにせよ、まだ生きている。これは相当なアドバンテージである。
そして、最終的には家族に囲まれて死を迎えるか、病院で死を迎えるかの違いであるが、何れにせよ、本人はそこに生き、そこで人生を終わるということを当たり前のこととして受け入れている。これは幸せなことなんだろうと思う。
田舎に憧れて移住してきた人々のうち、どれだけの方が幸せな諦念のうちに死を迎えられるのであろうか。

ある有名な先生が田舎を希望し、自宅を建てて引っ越してきて久しい。最近は病気で動くことができず、自家用車の運転も出来ない。免許を持たない老いた奥さんが、バスで買い物に行くのを見かける時があるという。実に悲しい。果たして彼らには後悔はないのだろうか。

テールライト

2005年10月15日

ムクダハンにいった折のこと、すでに辺りは薄暗く、我々は大きな通りにある旨そうな大衆レストランを興味本位で眺めていました。
その時、粗末な身なりのお兄さんが寄って来てビニール袋に入った果物のような物を差し出すのです。買ってくれと言っているようですので、中身を尋ねるのですがよく理解できません。
そのうちに右肩の方に気配を感じて横を見ると巨大な影が私のすぐ横に、「おぉ」― いつ近寄ってきたのか、なんと、象です。こんな街中で巨大な動物を間近にするのは始めて。ちょっとシュール。

象は、早くくれと言わんばかりに鼻を食物へ伸ばし、その度に、びっくりするくらい強い風圧の息が私の顔を通過します。ようやく事情を理解した我々は、サトウキビだと思われるその餌をお兄さんから買って与えたのです。
始めて撫でる象の皮膚は頑丈でした。そして優しい眼差しで、振る舞いには威嚇は微塵もありませんでしたが、何だか威厳があるのですね。

食べ終えた象は静かに音も無く去って行ったのです。尻尾には自転車用の小さな赤い安全灯(注)がくくりつけられており、それを左右に揺らしながら往くのが何ともユーモラスでした。

注:LEDで発光している。私の自転車にも付けている。サドルポストに付けるようになっていて、ポストの代わりに尻尾を通している。夕暮れ時、象の体色だと認識するのは難しい。これなら安全である。

自ビール悲し

2005年10月10日

暫く前に「銀河高原ビール」撤退のことを書きました。最近、プレミアムビールが売れてるということをネットで知りました。しかし、量産ビールとは違った、様々な出来たての旨いビールを飲める機会は限られているという現状には変わりが無く、非常に残念なわけです。

例えばビールの税率を、生産量年間30Kリッター以下のブリューワリーの場合は半額にするなどの税制改正を行わななければ、個性のあるビールは飲めないのではないかと考えるのです。

「B」というモルトシロップを使って自宅でビールを作り、その旨さに感動した後、偶然に個人輸入についての雑誌の中で自家醸造関連イクイップメントを販売しているショップがリストされているのを発見した僕は、早速カタログを請求し、モルトシロップやエアーロックの付いた密封容器がインクルーズされたビールの醸造キットを取り寄せて自家製ビールを作ったものでした。
巧くできたときの味は「銀河高原」に近いといえば想像して頂けるかもしれません。

欧州ではビールもワインと同様、自家用として楽しむ場合は自家醸造は認められており、特に許可は必要無いそうです。アメリカの場合は年間約750Lまでは無税です(1994年の資料)。
最近は、日本でも一部の地域でぶろく特区などが認定され、醸造が認められていますが、最終的には自家醸造が解禁されなければ本当の意味で醸造文化の享受はできません。発酵は民族の固有の食文化です。それが認められていない国が先進国と言えるか疑わしいところです。

米を発酵させて清酒。そこからさらに発酵させて醸造酢ができ、蒸留すると焼酎になります。焼酎に麹ともち米を加えて熟成させると「みりん」や「白酒」ができます。最終的にこの発酵食文化の流れ、あるいは連鎖が現状では否定されているのが残念です。

注:「みりん」には、よく「本醸造」と書かれています。焼酎と混ぜて熟成させる製造方法を「本醸造」といっていいのか、あるいは正しい「本醸造」の方法があるのか現時点で私は知りません。
永い間、ビールに関して悔しい思いを抱いてきたビール好きの私ですから、書きたかったことを断片的に続けています。

織り物

2005年10月09日

綿花を紡ぐ私が言うもでもなくタイも織物で有名です。ラオスと同じように村々で伝統的な織物が作られています。一月ほど前にサワナケートからほど近い、タイの農村に行ってきました。
農村部でも主要路は舗装され、電気も来ていてラオスよりも豊かさを感じます。そして人々はみな親切で、本当に親しみを感じます。

画像上は綿を撚っての糸作り。ここの綿花は直径が10〜15mm位と小さいので糸にするには手間がかかります。慣れないと上手く紡げません。

藍染料のかめ農業との兼業で農閑期に主婦が織りをやっています。訪問したときは田植え時期で織物はほとんどしていませんでした。
織物といっても、綿花の栽培から、それを紡いで糸にします。藍の元となる植物を取り、灰汁に漬けて発酵させた染料に糸を漬けて染色し、粗末な織機で織っていきます。全て手作業です。
他に、シルク織物も行っていますし、場合によっては工場で作られた糸も使うそうです。

未だにこのような手作業による生産体系が残っていることに感嘆します。しかし、複雑な織物は若いジェネレーション(跡取りの嫁さん)はできないといっていました。

画像下:この地方の藍色を得る植物は日本の藍とは違います。葉を見るとマメ科のようです。この植物を取ってきて一晩〜24時間灰汁の中に漬けると藍の染色液ができます。右下は綿花。

デザイン統一

2005年10月02日

ブログをスタートさせてからHPとブログサイトのデザインを統一して、双方をシームレスな感覚で利用できたらいいなと思っていました。

双方のデザインを完全に一致させることも可能ですが、私の能力を超えますので、最小限の手間で同じような色調、レイアウトにアレンジしました。
このように、いつも小手先でのアレンジを行っていますので、暫くしては気に喰わなくなり、しじゅう変えては余計な時間を割くという繰り返しが実にばかばかしいと思いつつ・・。

時間とエネルギーをかけて統一感を出した所で何か意味があるのかと考える方もいるかもしれません。別に違っていてもそれはそれで目先が変わって面白いわけです。それより内容の充実が先決。ごもっともです。
ともあれ、アレンジしたファイルのアップロードが終了しました。

またHPのコラム欄には、マレーシアにシニアボランティアとして住んでいた時代にサイトに掲載していた「マレーシア通信」を抜粋して再掲しました。

余談:永くサイトを運営していながら今頃何を言っているのかと言われそうでが、Internet Explorerの鷹揚さに慣れていると、Mozilla Firefox(ブラウザ)で正しく表示させるのは大変です(曖昧なHTML表現では受け付けてくれません)。エディターで文法チェックをしていますから、文法はOKでも表示が乱れる場合があり、原因がわからず四苦八苦するのです。