2008年04月
  1. 2008年04月30日: 落ちる聖火のイメージ (0)
  2. 2008年04月17日: 春に・・ (2)
  3. 2008年04月06日: 椅子展 '08(コンセプト) (0)

落ちる聖火のイメージ

2008年04月30日

世界各国を回る聖火リレー取巻くように、沿道から応援する多くの五星旗には興醒めする。中国への嫌悪が増し、聖火リレーひいてはオリンピックへの関心までもが薄れてしまう。

昨日(4/29)のasahi.com、「「聖火応援隊」やっぱり動員・中国当局が旅費負担」という記事には ―
北京五輪の聖火リレーへの妨害を防ぐため、各地の中国大使館が旅費を負担するなどして、現地の中国人留学生、華僑らを大量動員していたことが関係者の話でわかった。
「人間の壁」による妨害対策を指示し、対処マニュアルも作成。各地で赤い中国国旗を振っていた「聖火応援隊」は、やはり当局主導だった。

長野を走った26日の聖火リレーでは、約5千人の中国人留学生らが日本各地から集まった。東京から参加した複数の留学生によると、前日から夜行バスで向かい、1人2千円の交通費を負担したが、残りの費用は、すべて大使館側が負担してくれたという。


この国で起こる多くのことが北京のコントロール下にあることを理解していても呆れる。

原因であるチベット問題だが、そもそも北京は、少数民族の統治に、それらの地域に漢民族を大量移住させる政策をとっていて、チベットも同様で、それによって職に就けないチベット族の抗議が発端だという。
それを、オリンピックという好機を得て政治問題化させ、中国の国際的地位低下を狙うというような穿った見方も可能だが、人道問題を政治問題化しようとする諸国への、オリンピック憲章を盾にした中国の反論と、開催への悲願は理解できるが、なりふりかまわない中国当局の介入が、中国民族への嫌悪とイメージの甚だしい低下に繋がっているという事実を理解できないのだろうか。

春に・・

2008年04月17日

ほんの1週間の留守だったが、帰宅した我がエリアは完全に春だった。
桜はまさに開花時期で、去年植えた朴(ほお)の木は、へろへろ状態で秋を迎え越冬したが、りっぱに芽吹き、沢山の新芽を付けている(朴は綿菓子の香りがするのだ)。
出発前まで作業に必要だった防寒ズボンは不要となっていて、役を終えた灰と、熾(お)きが作業場のストーブの中で居心地悪そうにしている。

作品を発送し、あたふたと旅立ち、取り合えず個展を終えた。
随分前から図面化し、冬を通して制作してきた作品だったが、会場では、未成熟な部分がやけに迫ってくる。改めて自分の未熟さを自己嫌悪気味に痛感している。再度、白紙に戻して取り組もうと思っている。

個展中、姪を見舞った。
世界でも極めて珍しい腫瘍に犯されていた。手術に先立ち、医者から(最悪)死の宣告を受けた。まだ未婚の28歳。
自分の運命の暗い死の淵を見つめて呆然とし、それを受け入れる他なかった彼女の孤独な涙を想像するとき、涙を禁じ得ない。言葉にすると簡単すぎるが、死を自覚した人間だけが、おそらく生を実感できる。

姪は、16時間以上に及ぶ手術を受けた。しかし、出血が止まらない。2日後の午後の再手術(止血のためのガーゼ除去)を控えた早朝にようやく出血が収まり、再手術は奇跡的に完遂できた。
報告する義妹の弾んだ声は、彼女のこれまでの人生での最上の喜びを放出していたように思えた。

おそらく今、姪っ子はICUから一般病棟へ移り、苦悶の中にあるに違いない。そして、今後容態が順調に推移しても、多くの障害を受け入れ、順応していかなければならないのだ。
まだ予断を許さない部分は多いが、死を見た人間だけが新たに形にしていけるだろう、自らの生への(崇高な)リセットとして。

春に。

椅子展 '08(コンセプト)

2008年04月06日

今回出展しているほとんどの椅子のデザインは、英国が発祥である「ダブルボウ ウィンザーチェアー」をベースにしています。

ラテンスラットバックチェアー(中世から作られてきたシェーカーの椅子の原型、累計生産台数最多といわれている)や、ウィンザーチェアーは、グリーンウッドワーキング(生木を用いた木工)といわれる、独特のテクニックを用いて作られてきた椅子です。
これらの椅子は、工法的にもデザイン的にも、いえ、それらが分かち難く一体となった構造を持ち、歴史が育んできたスタンダードチェアーといえるものです。
それは、最小の部材で構成されているにも関らず、極めて合理的な構造を持ち、強固なアイデンティティを有しています。

スタンダードな椅子を標榜しながら、椅子制作から遠のいていた私が帰る椅子は、グリーンウッドワーキングのテクニックによって成立した伝統的スタンダードチェアーである、「ウィンザーチェアー」や「スラットバックチェアー」でしかなかったのです―
(会場用の説明から)

補足説明:先日終了した個展(椅子展)の説明から引用しました(今は、自分の実力の無さを改めて自覚しています)。