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木工家

2005年07月19日

最近、工房で家具を作る方を木工家と呼ぶようになり、かなり認知されてきているよう感じます。私自身は、この呼び方がどうもしっくりしないのです。

多くの場合、工房では普通の一般的な家具を作っているのに、単に「木工」とくくってしまっては範囲が広すぎるように思えるのです。木工という、木を用いて何かを製作するという範囲は相当に広いということは周知です。例えば、大工、建具、木彫、仏像、轆轤、椅子、指物、木型、小物(アクセサリー、玩具)等々です。それでも、工房において家具を作っている人々に対して、木工家という表現がマスコミを始めとして社会的に使われつつあると言うことは、「家」という語が附加されているからでしょう。
日本において、「**家」というように「家」が付く職業はアーティストを意味すると考えられています。だとすれば、木工家という職業は、木を用いて創造的な仕事をする人ということになります。こうして全体を曖昧に仕立て上げておけば当たらずしも遠からずです(実際は、より適当な表現が見つからなかったのかもしれません)。
それでは、私自身を含め、工房で家具を作る人々の肩書きとして、漠然とした「木工家」という表現に代わるような適当な表現があるのかということですが、それはともかく、それ以前に、工房家具を作る人々は、「**家」と呼ばれるような仕事をしているのかという疑問があるわけです。

純粋芸術(ファインアート)には、神(天)の理(ことわり)を表現してきたという歴史がありますし、一人の作家の技を通して生の意味を問う、あるいは意味を知るという深遠な作業が込められてきたわけです。大袈裟に言えば真の作家活動には、そのような意味があると思います。しかし、クラフトの場合、「用」という大きな目的があり、アートか否かという議論は古くからされてきました(ここでは、改めて意味を問い直すというはしません)。

納得する方もされない方もいるかもしれませんが、工房家具というのは、おそらく、量産品とは違って創造的な、つまり、その作家(!)によって解釈された部分がありありと判るというような家具が作られているという世の中の理解があるのでしょう。その結果、私には漠然すぎると思えるのですが、「木工家」という呼称が与えられたのでしょう。

ともあれ、我々の名刺には「創作家具」や「注文家具」、あるいは「家具作家」、はたまた「阿蘇某木工所」や「木工家」などの肩書きが刷り込まれ、個々の決意や姿勢を表明するわけですね。
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この記事へのコメント
1. Posted by フタバガキカ
2005年07月19日 20:32
ブログ始めたのですね。更新楽しみにしてます。

『木工家』って本来恐れ多い崇高な呼称だと思ってました。
けど「木工家」と呼ばれる人たちの中にはそう呼ばれたい人も多いと思います。しかも木工仕事を『木という神聖で難しい素材を扱ってるんだぞ』と崇高な職業のように考えたい人も多いのでこういう呼び方が多くなったんではないでしょうか。そして『家具職人』のイメージも山にこもって仕事してそうなイメージで古臭く感じる家具製作者も多いと感じてます。いずれにせよ『木工家』という呼び方はもう一般的になってしまいましたね。
乱文お許しください。
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