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私の徹夜本 2(回廊にて)
2005年11月07日
HPなどをするようになってから小説のたぐいをほとんど読んでいませんが、若い頃に読んだ本の中で、時間の経つのを忘れるほど夢中になれたものを紹介します。現物が手元にありませんので曖昧な記憶での感想をお許しください。
■回廊にて:辻邦生
芸術を通して「生」の意味を問う主人公の魂の奇跡を、日記と関係者の証言をカタカナ混じりの特異(?)な、透明感ある文体でドキュメンタリー風に描き、爽やかで余韻の残る読後感を与えてくれます。それまでの日本人作家とは一線を画す崇高な印象を受けた記憶があります。
あまり紹介される機会はありませんが、「天草の雅歌:辻邦生」も私のお勧めです。長崎奉行通辞、上田与志と混血の美女コルネリアの情愛と惜別を描いたもので、一級の恋愛小説に仕上がっています。結末の深い余韻が心を揺らします。
辻邦生(1926〜1999)
東大仏文科卒。昭和32年、フランス・パリ大学に留学。34年、ギリシャに旅行してパルテノン神殿に接したのを機会に「強い創作衝動に駆られて」、短編「見知らぬ町にて」「城」を執筆、実質的な作家生活に入った。
帰国後の38年、長編小説「廻廊にて」で近代文学賞を受賞。死の影を帯びた滅びの感覚と永遠性の希求という独自のテーマは、その後の辻文学を大きく方向づけるものとなった。43年「安土往還記」で芸術選奨新人賞を、47年には「背教者ユリアヌス」で毎日芸術賞を受賞し、以後、歴史の転換期を生きる人物に新たな光を与え、人間存在の本質を鋭く探る独特の歴史小説を次々と発表した。
(産經新聞 99.07.30より)
■回廊にて:辻邦生
芸術を通して「生」の意味を問う主人公の魂の奇跡を、日記と関係者の証言をカタカナ混じりの特異(?)な、透明感ある文体でドキュメンタリー風に描き、爽やかで余韻の残る読後感を与えてくれます。それまでの日本人作家とは一線を画す崇高な印象を受けた記憶があります。
あまり紹介される機会はありませんが、「天草の雅歌:辻邦生」も私のお勧めです。長崎奉行通辞、上田与志と混血の美女コルネリアの情愛と惜別を描いたもので、一級の恋愛小説に仕上がっています。結末の深い余韻が心を揺らします。
辻邦生(1926〜1999)
東大仏文科卒。昭和32年、フランス・パリ大学に留学。34年、ギリシャに旅行してパルテノン神殿に接したのを機会に「強い創作衝動に駆られて」、短編「見知らぬ町にて」「城」を執筆、実質的な作家生活に入った。
帰国後の38年、長編小説「廻廊にて」で近代文学賞を受賞。死の影を帯びた滅びの感覚と永遠性の希求という独自のテーマは、その後の辻文学を大きく方向づけるものとなった。43年「安土往還記」で芸術選奨新人賞を、47年には「背教者ユリアヌス」で毎日芸術賞を受賞し、以後、歴史の転換期を生きる人物に新たな光を与え、人間存在の本質を鋭く探る独特の歴史小説を次々と発表した。
(産經新聞 99.07.30より)
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