個別記事
私の徹夜本 4(背教者ユリアヌス)
2005年11月20日
若い頃(せいぜい30代前半まで)に読んだ本の中で、時間の経つのを忘れるほど夢中になれたものを紹介しています。現物が手元にありませんので曖昧な記憶での感想をお許しください。
■背教者ユリアヌス:辻邦生
以前にも辻邦生作品の「回廊にて」を紹介しました。同時に紹介するのはもったいないため、あえて分けました。「回廊にて」も良いのですが、私の中ではこちらが本命。
歴史小説としても恋愛小説としても十分に読ませてくれる叙事詩です。歴史背景の史実との違いを語る方もいますが、私はその辺りの知識を持ち合わせていませんので、純粋に作者の「生」への、主人公への投影に共感しながら読みました。会社勤めをしていた当時、スレてささくれた気持ちでいたワタクシが、「人間への信頼」をテーマにする辻氏の著作を貪ったギャップが自分でも滑稽(でもないか)。
物語はローマ帝国におけるユリアヌス皇帝の生涯を描いたもの。「背教者」とは、当時国教として勢力をのばしてきたキリスト教を否定し、古代ギリシアの神々の信仰を復活させようとしたことからつけられた。
参照:。八方美人な書評ページ
終わるのが惜しいと思いながら一気に読み終え、読後の喪失感が長く尾を引いた一冊です。
文庫本でもボリュームがあって最初は引いてしまいますが、たちまち引き込まれ、最後はそのボリュームに感謝します。
嫁さんの理想の恋人は、最初に紹介したアダルトウルフの「犬神明」でしたが、これを読んで感動。主人公「ユリアヌス」に惚れ、理想の恋人が二人になってしまったのです。
参考までにアマゾンコムから本書の書評の一部を引用させて頂きました。
芸術としての文学:2003/06/14
レビュアー:空を飛ぶネコ
文学が芸術とかけ離れて久しい。
感覚に頼ったような、確かに一度くらいはお付き合いできる作品はいくらもある。
職人芸でブランド品を供給してくれる作家もたくさんいる。
でも違う。
文学本来が持っていた格調高い芸術性を追求した、まれな作家が辻邦生。
そしてその白眉たる、日本文学の誇りとも呼べる作品が本作である。
音楽的で、絵画的で、光り輝くような、それでいて抑制の効いた文体は、それだけでも至宝のようで、まさに読み終わるのが惜しくなる、そんな作品と言える。
辻邦生を読まずして「本読み」というなかれ。
■背教者ユリアヌス:辻邦生
以前にも辻邦生作品の「回廊にて」を紹介しました。同時に紹介するのはもったいないため、あえて分けました。「回廊にて」も良いのですが、私の中ではこちらが本命。
歴史小説としても恋愛小説としても十分に読ませてくれる叙事詩です。歴史背景の史実との違いを語る方もいますが、私はその辺りの知識を持ち合わせていませんので、純粋に作者の「生」への、主人公への投影に共感しながら読みました。会社勤めをしていた当時、スレてささくれた気持ちでいたワタクシが、「人間への信頼」をテーマにする辻氏の著作を貪ったギャップが自分でも滑稽(でもないか)。
物語はローマ帝国におけるユリアヌス皇帝の生涯を描いたもの。「背教者」とは、当時国教として勢力をのばしてきたキリスト教を否定し、古代ギリシアの神々の信仰を復活させようとしたことからつけられた。
参照:。八方美人な書評ページ
終わるのが惜しいと思いながら一気に読み終え、読後の喪失感が長く尾を引いた一冊です。
文庫本でもボリュームがあって最初は引いてしまいますが、たちまち引き込まれ、最後はそのボリュームに感謝します。
嫁さんの理想の恋人は、最初に紹介したアダルトウルフの「犬神明」でしたが、これを読んで感動。主人公「ユリアヌス」に惚れ、理想の恋人が二人になってしまったのです。
参考までにアマゾンコムから本書の書評の一部を引用させて頂きました。
芸術としての文学:2003/06/14
レビュアー:空を飛ぶネコ
文学が芸術とかけ離れて久しい。
感覚に頼ったような、確かに一度くらいはお付き合いできる作品はいくらもある。
職人芸でブランド品を供給してくれる作家もたくさんいる。
でも違う。
文学本来が持っていた格調高い芸術性を追求した、まれな作家が辻邦生。
そしてその白眉たる、日本文学の誇りとも呼べる作品が本作である。
音楽的で、絵画的で、光り輝くような、それでいて抑制の効いた文体は、それだけでも至宝のようで、まさに読み終わるのが惜しくなる、そんな作品と言える。
辻邦生を読まずして「本読み」というなかれ。
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