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とどまる意志

2006年02月11日

スーパーカブが生産累計5000万台を達成したという。
アジアでは、「この能無しが」、と忌々しくなるくらいに中国ベトナムコリア製の、コピーカブで溢れている。
エイシアンスタンダードの源であるホンダスーパーカブも安いコピー機に混じって走っている。その健闘振りには敬意を表したくなる。
一時、アジアで安い中国製にシェアを奪われたが、徹底的なコストダウンを図って盛り返している。なんといってもホンダクォリティは希望であり垂涎なのだ。

カブと、そのコピーバイクは、スタンダードとして確立してしまっているから、全ての部品は容易に入手できる。これは強い。
クボタの耕運機と共にカブは、アジアでの生活必需品であり、移動に輸送に酷使される。バイク屋の店先で簡単にミッションがばらされ修理を受けている。部品の共通化と供給体制が整っているのはマーケットでの自然発生的保障制度のようなものだ(ただし部品は、当然純正ではない)。
これもひとえに本田宗一郎の偉業である。

発売当時、カブは高価なものだった。それでも徹底的にコストを抑え、使い勝手を熟慮していた。プレス部品の多用、簡便な操作等である。しかし、2ストロークエンジン全盛の当時、敢えて部品点数が多く、コストの掛かる4ストロークエンジンを採用した。製造コストはかかるがランニングコストは低く抑えられるからだ。

クラッチレスのミッション操作。実はクラッチは存在し、シフトレバーを踏むと半クラッチ状態になり、続いてギアはロックアップされる。使いやすくシンプルで耐久性のある構造である。
アンダーバックボーン式フレームレイアウト。高さを押さえた水平レイアウトのシリンダーと共に乗り降りを容易にしたデザイン。アジアではこの空間は第二の荷台として実に有効に機能している。
プレス製フロントフォークとボトムリンクサスペンション。テレスコピック式に比べ見栄えは悪いが、強度を保障しコストを押えている(股下をテレスコピックにした中国製カブは付根が一点しかなく、ブレーキ時にそこから折れたのを目撃した事がある。極めて危険)。
(語られる事は少ないが、このサスペンションはダートでの安定性は抜群である。昔、浜松などでは、カブを改造したおっさん達がフラットトラックコースで遊んでいた。ハンドルを広くし、イン側のステップを上げ、膝支えを付け、オーバルコースでカウンターを楽しむのである。カブでのカウンター走行は実に安定しているのだ。これはボトムリンクサスのせいである。余談若干)

このバイクの設計思想には庶民への視点が凝縮している。人間への博愛、庶民への慈愛を基にしたモノ作りの基本が見える。本田宗一郎は逝ったが、その思想は今も貢献を続ける。
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