個別記事
車関連の新技術
2007年11月28日
モーターショーの影響からか、部品メーカーからの提案を含め、車に関する新技術を目にする機会が多かった。それは効率改善、燃費向上、軽量化、高品質化などである。
先進技術や新しいメカニズムが好きな私にとってたいへん興味深い。
言うまでもないが、CO2排出削減が大きな目的であり、また石油需要増加に伴う燃料価格上昇対策でもある。
ちなみに、世界のCO2排出量は、50%が発電所と工業部門によるもので、自動車のCO2排出量は全体の15%前後。しかし、車両の燃費改善にもかかわらず、途上国での販売増加により自動車が排出するCO2排出量は増え続けている。
新技術はエンジン本体は勿論、車体全ての構成要素に及んでいるが、全ての補助装置の電動化(バイワイヤ技術)が進んでいることを感じた。エンジン補機類の電動化により、直接エンジンからパワーの供給を受けないことにより効率を上げるということである。
最初はパワステがそれまでの油圧からバイワイヤに変わった。同様の理由でウォーターポンプやオイルポンプも電動化されそうである。
余談だが、ステアリング(操舵装置)もモーター駆動の提案がされ(注1)、ブレーキも電動化の提案がされている。
ステアリングは軽量化や電子制御による最適なコントロールが可能であるということか?。また、ブレーキの電動化はオイルラインの廃止による生産性の向上、また4輪のインディビジュアルな制御による安全性、操縦安定性の向上ということか?。
最も望まれるエンジン電動化の一つは電磁バルブであろう。多大なバルブ駆動のエネルギーロスから解放され、最適なタイミングとリフト量の電子制御による圧倒的な効率改善に繋がることは素人の私にも理解できるが、実現は当分先?。
エンジン自体の改良のトピックには実に様々あって素人ながら興味深い。
その一つがミラーサイクルエンジンである。
通常のレシプロエンジンの場合、吸入された混合気が爆発し、ピストンが押し下げられる。もしも、押し下げる余力が残っているならば、そして、さらにピストンが下がり続けることが可能ならば、まだまだ、爆発エネルギーを利用(回収)することができる。しかし、現在のレシプロエンジンの形式では、ピストンのストローク量は決まっているので、爆発した膨張ガスの圧力が残っていても、ガスは排気弁から強制的に排出されてしまう。この捨てられているエネルギーを回収しようとしたのが、アトキンソンサイクルエンジン(膨張比が圧縮比よりも大きくなる状態を実現したもの)である。ただし、構造が複雑になるなどという理由でレシプロエンジンとして実用化(一般化)されていない。
所が、ある技術者(R.H.Miller氏)がインレットバルブ(吸気バルブ)の動作により、擬似的にアトキンソンサイクルを実現するというアイデアを思いついた。
例えば、通常の吸入行程の半分で吸入を停止する(インレットバルブを閉じる)(注2)と、吸入量よりも膨張量のほうが大きくなり、効率が上がるわけである(圧縮が落ち、圧縮比よりも膨張比のほうが大きくなる)。これを通常ミラーサイクルエンジンと呼んでいる。
マツダの新型デミオはミラーサイクルエンジンとCVT(Continuously Variable Transmission)の組み合わせにより、燃費は10・15モードで23.0km/Lを達成している。
スズキの3次元カムエンジンも面白い。
3次元カムは、低速から高速用まで形状の違う通常のカムを何枚か合わせてきれいにつないだものと思えばいい。この立体的(3次元)になったカムをボールネジで左右に制御し、カムのどの部分がフォロアに当たるかを決定する。
BMW社の「バルブトロニック」、トヨタ自動車の「バルブマチック」などと競合することになるが、機構がシンプルで摩擦損失も小さいということがメリットだが、カムの製造にコストがかかりそうである。
ちなみにカムは塑性加工で造り、研削し、最後に精密ショットピーニングをして仕上げる。外周が曲線になった砥石で3次元形状を研削する。一般的な研削盤を使うが、加工には4分かかり、NCデータ量は一般のカムの200倍に達するという。
ミラーサイクルにもでき、燃費は20%、トルクは6%向上する。数年後の実用化を目指すという。
注1:日本精工製のステアバイワイヤは、二つのモータの回転力で前輪のタイロッドを直接動かすことにより操舵する。今回試作発表されたものは、左右輪それぞれを、ピットマンアームと呼ばれるロットで操舵する。ステアリングシャフトが省けるのはもちろん、ラックとピニオンも不要で従来よりも大幅に機構が簡略化でき、スペース効率も向上するのが特徴。モータを二つ備えるため、どちらかのモータに不具合が生じても残りのモータで操舵できるので安全性も高い。
注2:バルブを早閉じにすると、その後無理に膨張させなければならず、これがポンピングロスとなって効率を落とすので、遅閉じにすることが多い。遅閉じの場合、通常よりポンピングロスは低減される。この場合、混合気はインテークマニホールドに吹き返すことになる。
先進技術や新しいメカニズムが好きな私にとってたいへん興味深い。
言うまでもないが、CO2排出削減が大きな目的であり、また石油需要増加に伴う燃料価格上昇対策でもある。
ちなみに、世界のCO2排出量は、50%が発電所と工業部門によるもので、自動車のCO2排出量は全体の15%前後。しかし、車両の燃費改善にもかかわらず、途上国での販売増加により自動車が排出するCO2排出量は増え続けている。
新技術はエンジン本体は勿論、車体全ての構成要素に及んでいるが、全ての補助装置の電動化(バイワイヤ技術)が進んでいることを感じた。エンジン補機類の電動化により、直接エンジンからパワーの供給を受けないことにより効率を上げるということである。
最初はパワステがそれまでの油圧からバイワイヤに変わった。同様の理由でウォーターポンプやオイルポンプも電動化されそうである。
余談だが、ステアリング(操舵装置)もモーター駆動の提案がされ(注1)、ブレーキも電動化の提案がされている。
ステアリングは軽量化や電子制御による最適なコントロールが可能であるということか?。また、ブレーキの電動化はオイルラインの廃止による生産性の向上、また4輪のインディビジュアルな制御による安全性、操縦安定性の向上ということか?。
最も望まれるエンジン電動化の一つは電磁バルブであろう。多大なバルブ駆動のエネルギーロスから解放され、最適なタイミングとリフト量の電子制御による圧倒的な効率改善に繋がることは素人の私にも理解できるが、実現は当分先?。
エンジン自体の改良のトピックには実に様々あって素人ながら興味深い。
その一つがミラーサイクルエンジンである。
通常のレシプロエンジンの場合、吸入された混合気が爆発し、ピストンが押し下げられる。もしも、押し下げる余力が残っているならば、そして、さらにピストンが下がり続けることが可能ならば、まだまだ、爆発エネルギーを利用(回収)することができる。しかし、現在のレシプロエンジンの形式では、ピストンのストローク量は決まっているので、爆発した膨張ガスの圧力が残っていても、ガスは排気弁から強制的に排出されてしまう。この捨てられているエネルギーを回収しようとしたのが、アトキンソンサイクルエンジン(膨張比が圧縮比よりも大きくなる状態を実現したもの)である。ただし、構造が複雑になるなどという理由でレシプロエンジンとして実用化(一般化)されていない。
所が、ある技術者(R.H.Miller氏)がインレットバルブ(吸気バルブ)の動作により、擬似的にアトキンソンサイクルを実現するというアイデアを思いついた。
例えば、通常の吸入行程の半分で吸入を停止する(インレットバルブを閉じる)(注2)と、吸入量よりも膨張量のほうが大きくなり、効率が上がるわけである(圧縮が落ち、圧縮比よりも膨張比のほうが大きくなる)。これを通常ミラーサイクルエンジンと呼んでいる。
マツダの新型デミオはミラーサイクルエンジンとCVT(Continuously Variable Transmission)の組み合わせにより、燃費は10・15モードで23.0km/Lを達成している。
スズキの3次元カムエンジンも面白い。
3次元カムは、低速から高速用まで形状の違う通常のカムを何枚か合わせてきれいにつないだものと思えばいい。この立体的(3次元)になったカムをボールネジで左右に制御し、カムのどの部分がフォロアに当たるかを決定する。
BMW社の「バルブトロニック」、トヨタ自動車の「バルブマチック」などと競合することになるが、機構がシンプルで摩擦損失も小さいということがメリットだが、カムの製造にコストがかかりそうである。
ちなみにカムは塑性加工で造り、研削し、最後に精密ショットピーニングをして仕上げる。外周が曲線になった砥石で3次元形状を研削する。一般的な研削盤を使うが、加工には4分かかり、NCデータ量は一般のカムの200倍に達するという。
ミラーサイクルにもでき、燃費は20%、トルクは6%向上する。数年後の実用化を目指すという。
注1:日本精工製のステアバイワイヤは、二つのモータの回転力で前輪のタイロッドを直接動かすことにより操舵する。今回試作発表されたものは、左右輪それぞれを、ピットマンアームと呼ばれるロットで操舵する。ステアリングシャフトが省けるのはもちろん、ラックとピニオンも不要で従来よりも大幅に機構が簡略化でき、スペース効率も向上するのが特徴。モータを二つ備えるため、どちらかのモータに不具合が生じても残りのモータで操舵できるので安全性も高い。
注2:バルブを早閉じにすると、その後無理に膨張させなければならず、これがポンピングロスとなって効率を落とすので、遅閉じにすることが多い。遅閉じの場合、通常よりポンピングロスは低減される。この場合、混合気はインテークマニホールドに吹き返すことになる。
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