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車関連の新技術 2

2007年12月06日

車の新技術に関し、割と気軽な気持ちで書こうと思っていた。所が、書くにあたって調べると、知らないことや、解説を読んでも理解できない説明も多く、個人的なブログとはいえ簡単には書けなかった(注1)。

ミラーサイクルにしてもそうだし、ポンピングロスというのは燃費を1割前後落としているという事実さえ知らなかった(知ってもどうなることでもないのかもしれないが・・・(ポンピングロスの少ない領域を使用して燃費を向上させる運転方法のサジェッションを記しているサイトもあったが(注2)・・))。

温暖化への対応で、自動車の燃費規制は2020年に20km/L(車両平均)に達する可能性があるそうである。法規制も厳しくなっているし、販売に直結するメーカー間の燃費競争もあり、実に様々な技術が研究され、試され、また搭載されているのは驚きである。しかし、ハイブリッド技術をしてで国産メーカーにはアドバンテージがあるような報道があり、割と安心している我々ではあるが、実は、採算が見込まれる有力技術は欧州企業が先行し、国内メーカーはむしろ出遅れているという。
現在、日本の自動車の生産台数が多いとはいえ、アングロサクソンの粘り強さを決して侮ってはいけないのである(注3)。生産台数に限っていえば、いずれ中国にその座を明け渡すのは明らか。カブタイプのモーターサイクルのように・・。

参考までに、前回書けなかった新技術の動向と部分的な解説を補足的に述べると・・

2010年度燃費基準と達成に必要な技術は・・
摩擦低減
可変バルブタイミング
CVT etc・・

2015年度燃費基準と達成に必要な技術は・・
可変バルブリフト
直噴化
アイドリングストップ(注4)
DTC(注5)

2020年度燃費基準と達成に必要な技術は・・
可変圧縮比エンジン(注6)
HCCI燃焼(注7)
希薄燃焼

省エネのための新しい技術革新には驚くが、その一方で、3、4、5リッターのエンジンを載せた新型車が世界的に矢継ぎ早に登場している(特にここで触れたくもない・・)。

余談だが、ターボチャージャー装着エンジンはガソリンの気化熱で冷却する場合が多いという。このような技術に対しては、ポジティブな評価を与えたくない。
所で、木工作業において木材を昇降盤で縦に切断する場合、切断された部分が締まる(閉じる)場合がある。木材内部の含水率が低く、内部応力が残っていることが原因だが、閉じた木材が高速で回転する鋸刃を締めることにより、鋸刃の回転力によって材料が作業者の方向へ激しく戻り、非常に危険である。
このとき、送材を止めると摩擦熱で鋸刃がぐにゃぐにゃに変形する。そこで、鋸刃が発熱してきたと感じたら、いっそう強い力で材料を押し、木材中の水分で鋸刃を冷却すると切断を続行できる場合がある。ただし、押したほうが良いのか、すぐにスイッチを切ったほうが良いのかはケースバイケースだからビギナーには薦められない。

注1:そういうわけで、この記事を書くためにかなりの時間を割いた。自分でも何をやっているのだろうという疑問を抑えながら・・。

注2:アドレスを控えていなかったので裏覚えだが、大雑把に言うと、アクセルを開けていないほうがポンピングロスは大きいので、多少開けて走るというもの。勿論、開けすぎるのは禁。

注3:国産に多い綺麗なだけで味のないスタイル。アイデア段階から醸成へ昇華していない「生」なデザインのままの「オロチ」や三菱「コンセプトcX」は、はまさしく稚拙の一言(加えると、今話題のN社のスーパーカーのパッケージも、くどくて整理されていないと、個人的には思う)。
欧州車もトーイ化してきたとはいえ、完成度の違いは明らか。上記の新型国産車は、基本的に普遍への理解と要求度が違うことを実感させる一例。また、メルセデスの安全思想車体に追いつくまでにトヨタをして10年かかったという話を聞いた。水抜き一つにしても防錆への些細な配慮の違いなど、結局は民族の文化の質が設計の質を決定付けているのは間違いない事実。

注4:アイドリングストップ
興味ある事例:日経BP技術賞「機械システム部門賞」受賞。マツダ「スマート アイドリング ストップ システム」
この技術は、エンジンストップのたび、スタートにスターターを使用しないシステムである。直噴ガソリンエンジンでしかできないが、実に発想がいい。
作動原理は、先ずピストンをシリンダーの中間あたりで、ほぼ同じ高さになるように止める(これには正確な制御が必要)。
次に、圧縮行程にある(つまり上昇途中の)シリンダーに燃料を微量噴射して点火する。圧縮行程とは言っても,しばらく止めれば圧縮は落ちている。圧縮しないのだから大した力は出ないが、それでもちょっとは回る。ここがミソ。圧縮行程にあるピストンを押し戻すのだから逆回転になる。その時、膨張行程(下降途中)にあったピストンは逆に上昇を始める。そこに点火。爆発はささやかだが、1回目の点火より大きな力が出る。このときの回転方向は普段と同じ。これがセルモーターの代わりになる。3回目以降は通常回転である。これが0.3秒の間に起こるのでドライバーのストレスはない。

注5:DLC(Diamond Like Carbon)
DLC膜の構造は通常水素を若干含有した非晶質(アモルファス)構造でダイヤモンド結合やグラファイト結合などを持つものと言われている。ダイヤモンド状の炭素結合を持った非晶質炭素膜の総称。
DLCは、高硬度で優れた耐摩耗性。無潤滑下で低い摩擦係数。摺動時、相手材を磨耗、損傷させない(低相手攻撃性)。化学的に不活性で安定。焼付き、凝着、溶着を起こさない。腐食性雰囲気中でも侵されない等の性質を持ち、物理蒸着法や化学蒸着法等によってコーティング皮膜を形成する。
日産が開発した、水素フリーDLCコーティングを、エンジン部品である、バルブリフター、ピストンリング、ピントンピンの3点に行うと、摩擦損失を従来より25%低減でき、燃費を3〜4%改善する効果があるという。

注6:可変圧縮比(VCR:Variable Compression Ratio)エンジン
走行中に圧縮比を8:1〜14:1程度に変化させる機構を持つエンジン。
エンジンは、圧縮比を高くしたほうが効率は高まり燃費が良くなるが、ノッキングが起こりやすくなる。しかし実際には、ノッキングが起こりやすいのは高負荷・高回転の運転領域で、それほど負荷の高くない常用域では、圧縮比を14:1程度まで上げてもノッキングは起こらない。このような実用領域で、可能な限り高い圧縮比にしてエンジン効率を上げようとするのがVCRエンジンである。
圧縮行程の距離を変化させて圧縮比を変えるが、機構が複雑、重量増加で実用には至っていない。最近日産が開発したものはマルチ・リンク・コンロッドと呼ばれるもので、コンロッドの長さをリンク機構により変化させ、ストローク量を変えるもの。これにより、上死点位置を5.5mm変化させる。ターボエンジンとの組み合わせでは「燃費・出力ともに10%以上向上できる」という。
ストローク量を変えるとはいえ、前記事のアトキンソンサイクルエンジンとは考え方が違う。

注7:HCCI燃焼(予混合圧縮着火)(HCCI:Homogeneous Charge Compression Ignition)
ヂーゼルエンジンのように圧縮による発熱で着火する燃焼システム。昔、キーを回してエンジンを切った後、暫くエンジンが回っていたアフターランと同じ原理。優れた効率と排出ガスの大幅な低公害化を実現できる興味深い技術だが、制御が難しいらしい。

前回と今回の記事のソースの多くは、「Tech-On」のAutomotive Technologyを参照させて頂きました。
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この記事へのコメント
1. Posted by artisan
2007年12月07日 08:01
注1の
>何をやっているのだろうという疑問
は読者も共有させられているかもしれませんが、これもkatsuさんらしくて、分からないながらも楽しませていただいています。
原油高騰+地球温暖化の押しとどめようもない進行は、自動車の使われ方自体の再考を迫るものですが、それも簡単ではない。
内燃機関についてはチンプンカンプンですが、まだまだ技術的改善の余地もあるとのことでうれしい話しです。
VWのTSIエンジンはすごいな、というのは良く分かります。コメントになっていませんね。失礼しました。

水分傾斜のある材のリッピングですが、危ないですね。
ボクも数度腹をやってます。
事前に予測できれば歯の出を半分に抑えて2度に分けるのが基本ですが、予測は難しいもの。
リッピング作業中鋸を挟む予兆を感じたら、しっかり材を保持しながら戻すのが基本でしょうか。
2. Posted by katsu
2007年12月08日 01:16
コメントありがとうございました。
(大変申し訳ありませんが、記事の一部を訂正させていただきました(ネームの部分です))
>何をやっているのだろうという疑問・・
今回は、お陰で随分調べました(意味なく??)。
そんなことや、本業の関係で更新が遅れています。
疑問に関して言えば、ブログの存在にしても然りです。時々疑問を持ちますが、続けております。
3. Posted by artisan
2007年12月09日 17:20
再度のコメントで邪魔します。
“ブログの存在への疑問”が何を指しているのかは想像の域を出ませんが、私自身も運営していて同様の疑念を感じ自己嫌悪に陥ることもあります。
全ての情報がフラットな地平で語られることのメディアとしての革新性と水のように薄められたジャンク情報と欲望の氾濫には、めまいを覚えます。
やはり私は旧世代の人間だったと思い知らされてしまうのです。
──
先のコメント、一部誤植加筆訂正させてください。
歯の出を半分に抑えて2度に分ける→刃の出を半分に抑えて裏表2度に分ける
4. Posted by katsu
2007年12月11日 18:54
書き方が良くなかったかもしれません。
ブログにしても、時々何をやっているんだろうと疑問に思います。閉じようと思ったこともありますが、とりあえず続けています。
続けるなら続けるで、もう少し頻繁に更新すれば、それはそれで意味があるのかもしれませんが・・。
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