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人災

2008年06月22日

大雨注意報が発令される梅雨時の今、繰り返される土砂災害。今年の梅雨も多くの被害が出るのかと思うと暗鬱になる。

以前、県の役人と話す機会があった。彼は、杉檜の植林が引き起こしている災害について述べた。
土石流の発生が考えられる急傾斜地にも、根の浅い、杉・檜が無考慮に植林されているということ。また、アレルギー性鼻炎を引き起こしているスギ花粉の問題も然りと ―。

ならば、餌がないといって熊や猿が里へ下ってくるのも、実は、杉檜の植林が原因であろう。

戦後復興期以来、ひたすら植林が勧められ、日本全国のほとんどの山は杉檜で覆われ、これが自然かと思うような、四季の変化を味わえない不毛な「山」になった。

2003年7月熊本県水俣市宝川内で土石流が起き、多くの犠牲者が出た後、我家を訪れたある方は、原因について以下のように語った。
根の浅い杉を崩落の起きやすい急傾斜地に植え、しかも、枝打ちもできていない状況で、雨で水を含んで重くなった根の浅い杉は根元から滑り落ちた。あれは、人災だ、と。

田舎のことだから、地主を訴える被災者はいないが、裁判という手段に訴えても、ほとんどの山々を杉檜で覆ってしまった地主と林野庁の責任を明確化し、日本本来の自然に戻し、災害を減らす方向へシフトしなければならないと思う。
(以前書いたように、取りあえずは、崩落の起きやすい場所に杉檜を植えなければ ― その土地本来の植生に戻せばいいのだ ― と、思うのだが)

ここでは(勉強不足のために)詳しくは述べないが、林野行政の問題の深刻さは相当大きなものがある(適当なキーワードで検索すれば林野行政の問題点を指摘したサイトを発見できる)。

森林保全の名目で、杉檜の植林が続けられ、それに多大な税金が投入されてきた。今は、間伐にも補助金を出し、間伐材の利用拡大のために、大学では、杉に熱と圧力をかけて圧縮・安定化させ、圧密材などという素材を得る研究をしている(エネルギー消費が問題になっている現在も、この研究が続けられているかは不明)。

多くの税金を投下した結果、保水力のあった自然は、根が浅く保水力の低い針葉樹で覆われた。その結果、土砂災害が頻繁に、かつ簡単に発生するようになり、その復旧と被害者対策にさらなる税金を必要とする。

雨が降り続くと、我家周辺を含めた各地の災害への心配、そして、その原因となっている不自然な林業や林野行政への疑問や不信で滅入ってしまうのである。
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