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  1. 2012/01/13  直進性が増すタイヤ (0)
    2011/12/02  新型トロイダルCVT (0)
    2011/07/05  SKYACTIV-G(追加) (0)
    2011/05/18  山村で海水魚養殖 (0)
    2010/06/19  ハヤブサ (0)
    2010/03/14  植物由来の超強力接着剤の開発に成功 (0)

テクノロジー

ブリヂストンの新型タイヤ。
転がり抵抗を10%減らしつつ、直進安定性を高めるというもの。
どうやって直進安定性を高めたのか。

タイヤは回転すると遠心力が働き、わずかな量だが膨らむ。
その時、外側サイドウォールの曲率(R)を、内側よりも小さくしておく。前から見ると内側は直線に近く、外側はそれよりたわんだ形になる。

タイヤの変形図遠心力により、曲率の大きい(直線に近い)内側よりも、外側の方が大きく膨らむ。
その結果、タイヤは台形に変形し、内側を向く。
両輪が内側を向くということは、トーイン状態になるということである。
トーイン状態は、内側の張力を発生させ、車両の直進安定性を高める。
なるほど、アイデアだなと思った。

ブリヂストンのテストコースにおける「うねり路」でのテストでは、ヨーレートや、ステアリング舵角の変動量を従来品(EP100)と比べ、大きく減らしている。
ヨーレート(deg/s)が、凡そ、1.6から1.0(±)へ。舵角(deg)は、2~3度少なくなっている。

タイヤサイズ:215/60R16 95H
空気圧:250kPs
速度:100km/h
テスト車両:マークX DBA-GRX130 2500cc

[参考サイト]
Tech-On

cvt-1長い間期待され、待たれていた新型無段変速機が、日本精工株式会社(NSK)から発表された。
しかも、FF車用である。

今回発表されたものは、トラクションドライブ(注1)と呼ばれる動力伝達方式を用いた変速装置で、トロイダルCVT(Continuous Variable Transmission)(注2)というものである。
オートマチックトランスミッション(AT)や、金属ベルト式CVTを凌駕する省燃費を実現するという。

従来のギア式自動変速機は、ギアを複雑に組み合わせながら変速させる。
ギアの摩擦により、ロスが生じるため、燃費にも影響する。これに対し、トロイダルCVTは、ギアを使わずに、円盤とローラで動力を伝える。
エンジン側と、出力側の円盤のあいだにあるローラの傾きにより、なめらかに変速する。そのため、動力のロスもなく、燃費も改善する。

アイデアは20世紀初頭からあった。
ギアを使わず、円盤とローラで変速すれば、効率はいいとわかっていても、だれも実用化できなかった。
金属と金属が接触しながら動力を伝えるとき、摩擦が不可欠だが、動力のロスの原因ともなる。あるいは、パーツが削り取られて摩耗したり壊れたりするからだ。

製品化までは、途方もない試行錯誤と、熱意の持続が必要だった。
円盤とローラが、摩擦のために破壊される。どうして厚さ1cmもある鉄の円盤が割れるのか。原因を追究していくと、不純物が原因だということが判った。
不純物を排除し、遂に世界最高純度の鉄にたどり着く。

鉄を焼き入れして硬くする「浸炭」という技術がある。
昔からある技術である。だいたい900度~1000度程度に熱し、油で冷やして硬くする。硬くし過ぎると、割れたり壊れたりする。それを防止し、表面だけ硬くして中を柔らかくする。
所が、やってみるとあっさり壊れる。表面の硬さが足りなかった。より硬い浸炭をやらないといけない。ところが、硬くしすぎても割れる。

浸炭は、通常だと表面からの深さが0.3mm~0.7mm程度である。
硬い層が非常に薄い。普通ならこれで充分である。それでも処理に3時間くらいかかる。
トロイダルCVTの場合、理論的に3㎜程度は必要だという。3㎜の浸炭など、常識では考えられない。処理にも48時間はかかる。
誰も相手にしない。
東北大の熱処理の専門家が試してくれ、見事に寿命が10倍位伸びた。
ここでひとつのブレークスルーがあったと、技術開発本部長、町田尚氏は言う。

NSKは、1978年にハーフトロイダルCVTの開発に着手。
本業である軸受製造技術を用い、非金属介在物を限りなく取り除いたCVT用の超高清浄度鋼(CVT鋼)を開発。更に高度な浸炭窒化熱処理技術や、超精密表面加工技術などを用い、世界で初めて自動車用としての耐久性を満たす、パワーローラとディスクの開発に成功。
1999年に世界で初めて、自動車向けハーフトロイダルCVTの実用化に成功し、日産の高級乗用車「セドリック」と「グロリア」に搭載された。
その後、搭載は中止されたが、NSKでの開発は続けられ、今回の発表となる。

従来のトロイダルCVTは、スペースの関係で、「セドリック」のような、大型後輪駆動車(FR車)しか搭載できなかったが、構成部品をコンパクトにし、内部仕様を見直した結果、従来よりも全長を約2割短くでき、FF車への搭載を可能にした。

従来品の優れた伝達効率を更に高め、摩擦損失を半減し(高効率化:93% → 97%)、従来品に比べて、変速比を拡大(ワイドレンジ化:4.3 → 6.5)することで、幅広い車速領域で、エンジン回転数を下げることができた。
また、約3割の軽量化を果している。

NSKでは、円盤とローラの素材の研究、潤滑油の研究など、この問題を解決するのに21年かかっている。
原理は簡単だが、球状のツルツルの金属同士が接触してエンジンのパワーを伝達する。
誰もが上手くいくとは考えない技術。しかし、やればできるものだ。
可能性は自ら閉ざさない。自己信頼と絶え間ぬ努力。コツコツは勝つコツ。
ウーム、分かってはいるつもりなのだが、凡人(ワタクシ)は今日も安きに流る。

リッター30Kmを超える車も登場している。まだまだ、内燃機関の需要は続く。
更なる省エネ技術の1つとして、NSKのハーフトロイダルに凡人は期待するのだ。

cvt-2

注1:トラクションドライブ
転がり接触による動力の伝達方法。
円筒状の物体(回転体)が、油膜を介して、互いに押し付けられた状態で、一方の回転体から他の回転体に動力を伝達する方法。

通常、油を供給するのは、摩擦を少なくして抵抗を小さくするのが目的である。
所が、トラクションドライブは、まったく逆で、接触圧力を大きくしていくと、粘性係数が大きくなるという油の特性を利用した伝達機構で、油膜のせん断力(変形に抵抗する力)によってトラクションが発生する(滑りにくくなる)と考えられている。

現在のトラクションドライブオイルは、化学合成油が用いられ、一層滑りにくくなっている。
またオイルには、当然のこととして、転がり面の熱の放散、摩耗、焼き付きといった表面損傷防止のための機能が要求される。

注2:トロイダルCVT
トロイダルCVTの変速原理は、イラストを見るとおり、シンプルなものである。
トロイダル方式には、フルトロイダルとハーフトロイダルの2種類がある。
ハーフトロイダルでは、パワーローラーにスラスト力が発生するため、これを支持する大容量のスラストベアリングが必要になってくる。
フルトライダルは、パワーローラー部におけるスピンが大きく、その大きさは、ハーフトロイダルの7倍程度にもなるという。そのため、厚いパワーローラーは使用できない。

[参考資料]
Tech-On:日本精工、FF車に積めるハーフトロイダルCVTモジュールを出展
Tech-On:トロイダルCVTは「ハーフ」か「フル」か? 新型ミッションの熱き戦い
東北大学機械系瀬名秀明がゆく:無段変速機「ハーフトロイダルCVT」21年の挑戦
NSK:ハーフトロイダルCVTパワートロスユニット
自動車用ハーフトロイダル型IVTの研究 / 今西 尚

マツダの次世代車両技術が注目されている。
「SKYACTIV(スカイアクティブ)」という。
この技術を採用した初の車両である「デミオ」が2011/6/30発売された。
承知のように、新エンジンを搭載したデミオは、ハイブリッドシステムを搭載せず、10-15モード燃費30km/Lを実現した。
これは、ホンダの「フィットハイブリッド」と同値である。

「SKYACTIV」は、次の要素技術からなる。
(1)世界一の高圧縮比14.0を実現した、次世代高効率直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G」。
(2)世界一の低圧縮比14.0を実現した、次世代クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」。
(3)次世代高効率自動変速機「SKYACTIV-Drive」
(4)軽快なシフトフィールと大幅な軽量・小型化を実現した、次世代手動変速機「SKYACTIV-MT」。
(5)高い剛性と、最高レベルの衝突安全性を実現した、次世代軽量高剛性ボディ「SKYACTIV-Body」。
(6)正確なハンドリングと快適な乗り心地を高次元でバランスさせた、次世代高性能軽量シャシー「SKYACTIV-Chassis」。

「SKYACTIV-G」は、効率を徹底的に高めたガソリンエンジン。
効率を阻害するエンジンの主な損失は、以下の4項目。

■排気損失
まだ利用できる熱量を排気ガスとして捨ててしまう。

■冷却損失
燃焼ガスが、シリンダー壁面などによって冷却され、エネルギーを失う。

■機械抵抗損失
エンジン内部の摩擦による損失。

■ポンプ損失
空気の吸入や排気の抵抗による損失。

「SKYACTIV-G」は、これらの損失を出来るだけ小かくして効率を高め、燃費とパワーを高めようというものである。

以下は、マツダの具体的な対策。

■驚異の高圧縮比14
排気損失の低減には、圧縮比を上げるのが有効な手段である。

混合気に点火後、燃焼ガスは膨張し、ピストンを押し下げる
ピストンを押し下げると、燃焼室の圧力が下る。同時に温度も下がる。
圧縮比を上げると、燃焼ガスがより低圧・低温になるまでピストンを押す。それだけ取り出せるエネルギーは大きくなる。
つまり、捨てるエネルギー(排気損失)が少なくなる。
よって、同じ量の燃料から、より大きなパワーを出せる。
パワーを同じにすれば、燃料は少なくて済む。
(従来のエンジンでは、圧縮比10~12程度が普通)

しかし、高圧縮比にした場合、ノッキング(ガソリンの異常燃焼)によりトルクが落ちる。
ノッキングの発生メカニズムは、圧縮時の温度上昇である。
温度上昇の原因は、シリンダー内に残っている残留ガス。
解決策としては、できるだけ残留ガスを追い出すこと。

残留ガスを効果的に除く手段として採用したのが、昔からのレーシングエンジンに採用されてきた「タコ足」と呼ばれる、4-2-1タイプの長いエギゾーストシステムだった。
これにより、シリンダー内に残留ガスは、8%から4%に半減した。残留ガスが減れば、シリンダー内の温度が下がる。
結果として、圧縮比を従来より3ほど高くすることができた。
圧縮比が3高くなると、燃費は8~9%向上する。
しかも、排気ガスの吸い出し効果を高めたことで吸気効率が上がり、実用域でのトルクが向上した。

燃焼時間の短縮も効果的で、そのためにシリンダー内の空気流動を強化し、マルチホールインジェクターによる噴霧特性改善や、噴射圧力の強化によって、均一で流動が強い混合気を生成。
また、ガソリン直噴による吸気冷却効果を促進するために、噴霧パターンを改良。ピストンを耐ノック性が高い形状に変更している。

■冷却損失対策
冷却損失については、ピストン上面のキャビティにより、着火初期の火炎がピストンに接触して冷えることを防ぎ、損失を減少させている。
またシリンダーのボア(口径)を現行2Lエンジンの87.5mmから83.5mmに縮小。これによって燃焼ガスと接触する燃焼室壁面の面積が減り、温度低下を防いで熱効率を高めている。

■機械抵抗損失対策
機械抵抗損失面では、往復回転系パーツを軽量化して摩擦を低減すると共に、エンジンのレスポンスを高めた。具体的にはピストンとピストンピンを20%、コンロッドを15%軽量化。
ピストンリング張力37%低減、クランクシャフトメインジャーナルの径を6%、幅を8%低減。バルブ駆動にローラーフィンガーフォロワー採用で、動弁系摩擦力を50%低減。
トータルで従来型エンジンに比べ、機械抵抗損失を約20%低減している。

■オイル潤滑系の損失対策
オイルの潤滑システム自体も見直され、オイルの通路を短く、出入り口の形状も工夫することによりオイルを圧送する際の抵抗を3割近く低減させている。
これによって、オイルポンプの容量を、約1割小さくできただけでなく、負荷やエンジン回転数に応じて吐出圧を2段階に制御する可変機構を搭載し(電子制御式可変油圧小型オイルポンプ採用)、駆動損失の削減に成功している。

■ポンプ損失対策
ポンピングロスを減らすため、電動の連続可変バルブタイミング機構を吸気側に採用し、ミラーサイクルを採用。

ミラーサイクルとは、ピストンが下死点を過ぎて吸気バルブが閉じるという、遅閉じという方法によってシリンダーの容積以下の混合気(直噴の場合は空気)しか吸い込まず、燃焼後は容積一杯(下死点)まで膨張させることから燃料のもつエネルギーをより無駄なく取り出す方法。

低負荷時にはミラーサイクル状態で作動させるため、圧縮比は14を下回るが、高負荷時にはバルブを早く閉じ、ミラーサイクルを抜けることで14の高圧縮を実現している。
高圧縮エンジンだからこそミラーサイクルが効果的となる。

■その他
1.アイドリングストップ機構「i-stop」の搭載。

2.低ころがり摩擦タイヤの採用。

3.減速時に発電させ、エネルギー回生を行なう充電制御といった補機類による効率化。

4.スパークプラグも従来より細いサイズを採用することで、ヘッド回りの冷却性を確保しやすいものとする。

5.空気抵抗の低減。
デミオ13-SKYACTIVのCd値は0.29。この値は、コンパクトカーとしては、実に秀逸。

空力に関しての開発者の興味深いコメント。

空力は燃費のためじゃなく、“伸び感”の向上を狙った、という。
高速道路を利用して、インターチェンジから本線に合流する時のことをイメージしてほしい。加速車線でアクセルを踏んで加速していくと、最初は強い加速感が感じられるが徐々に弱まり、実際の車速の上昇も鈍ってくる。これは速度が上昇するほどに空気抵抗が増していくのも大きな原因。

「パワーのあるクルマなら強引に加速していくこともできるが、燃費性能も重視したコンパクトカーでは難しい。でも加速の伸び感は、クルマを運転している中で非常に気持ちのいい感覚なんですね。それを実現すべく空力を追求したんです」

アンダーフロアを樹脂製のパネルで覆ってフラットボトム化を図り、タイヤの前にはディフレクター(ストレーキ)と呼ぶ整流板、リヤゲートにはスポイラーも装備。
高級なドイツ車ではなく、100万円台前半の国産コンパクトでの話である。

6.非ハイブリッドの意味。
デミオの10-15モード燃費(30km/L)は、ホンダの「フィットハイブリッド」と同値である。
しかし、内容において決定的な違いがある。

フィットハイブリッドは、バッテリーやモーターの重量でデミオより100Kg程度重い。
これが加速、運動性能に、どれだけネガティブな影響を与えるか、ここで述べるまでもないだろう。
また、高価なバッテリーは、車両価格に跳ね返る。マツダがハイブリッドではなく、従来技術にこだわった理由の1つが理解できよう。

7.高圧縮比エンジンの意味。
エコ運転が奨励されている。
加速ポンプを作動させないよう、アクセルペダルを、そーっと踏み込む。
せいぜい、踏みしろの1/4程度だろう。

デミオは、その必要がない。
加速が必要なときには、ガッと踏み込んでいいという。
燃費が悪くならないのだ。
エンジニアは、踏みしろの7/8程度までだったらOKという(!!)。
高圧縮の効率の良さを始めとし、空力、タイヤ、標準軽量アルミホイール等々、エンジニアの技術の結晶。

まだやれる事がある。
ハイブリッドではなく、従来からの技術の延長でのこの成果に、人は驚き、評価した。
しかも、エコなだけの鈍重な小型車ではなく、運転の楽しさを、けしてないがしろにしない。

マツダのクルマ作りへの誇りと、深いこだわりを見た。
(新型デミオの全てを紹介したわけではありません。記事中の間違いは指摘して下さい)

参考資料:Response

「好適環境水」の可能性

東北の漁港の多くが、甚大な被害を受けた。
漁業再生への大きな可能性が、岡山理科大工学部バイオ・応用化学科 山本俊政准教授の開発した「好適環境水」にある。

陸地での海水魚の養殖では、従来「海水」や「人工海水」が用いられてきた。
海水には約60種の元素が含まれているが、魚にはその全てが必要なわけではない。

山本教授は、2005年から海水の中の、どの成分が魚に必要なのかを見極める実験を繰り返し、完全な海水ではなく、カリウムやナトリウムなど、魚に必要な成分を特定し、それを真水に混ぜた「好適環境水」で、海水魚を育てる事に成功した。

海水なしで、海水魚の養殖ができるのである。
つまり、山村でも、海水魚が低コストで育つのだ。
山村の場合、津波などの被害を避ける事ができ、食料自給率や雇用創出のアップにもつながる。

「好適環境水」のメリット・デメリット。

「好適環境水」は、人工海水に比べ、低コストで作ることが出来る。
しかし、水温を一定に保つために電力がかかる。
(これについては、ゴミ焼却場や温泉を熱源とすれば大幅な省エネルギー化がはかられる)

ただし、常に餌を食べる温度に水温を調整することで、魚が速く育つ。
トラフグやヒラメだと海で育つものに比べ、1.2~1.3倍くらい早く育つ。
海水での養殖に比べ病気になりにくく、抗生物質を使う必要がない。「好適環境水」中では、少々の傷は治る。
生臭くない。

さらに、山本先生は、「好適環境水」を循環させ、長期間使用する試みを行っている。
濾し取られた、魚の排泄物中のリンや窒素は、有機肥料として野菜の水耕栽培に利用できる。
つまり、同一施設に、魚工場と野菜工場が併設され、新鮮で安全な生鮮食料を山村でも楽しめ、収入にもつなげられるのだ。
(自分が山村に住んでいるために、山村をハイライトしているが、山村にこだわっているわけではない)

宮城県石巻市の漁業関係者から問合せが来ているという。
多くの地域が、この技術の活用の検討を願う。

ただ、国からの反応は鈍いという。
海外―アメリカ、中国、中東等々―多くの国々からは、引き合いが来ている。
日本発の最先端技術が海外で開花する前に、国の積極的な支援を期待したいものだ。

注:「好適環境水」とは―。
塩素を初め、ナトリウム、硫黄、マグネシウム、カルシウム、カリウム 、炭素、臭素、ストロンチウム、 ホウ素、フッ素、リチウム、べリリウム、アルミニウム、スカンジム、チタン、バナジウム、クロム、 マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリリウム、ゲルマニウム、ヒ素、セン、ルビジウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、銀、カドミウム、インジウム、錫 等々、60種類以上ある海水の成分の中から、魚が生息していくのに必要最低限の成分を選んである。
「好適環境水」は、真水10Lに対して、上記の成分を10g入れると出来上がる。

もう少し知りたい方へ:「好適環境水と養殖の未来」

ハヤブサ

2010/06/19

まさかの帰還に評価炸裂のハヤブサ。
何度か国民に見捨てられた(?)ハヤブサだったが、彼は粘った。とことん粘って結果を出した。

主な困難の履歴を追ってみた。

2005年7月31日
リアクションホイール(姿勢制御装置)3基のうち1基が故障したため、2基による姿勢維持機能に切り替えて飛行。なお、当初より2基の運用も想定されていたため、支障なく運用。

2005年10月2日
リアクションホイールがさらにもう1基故障。残ったリアクションホイールはZ軸(?)の1基であり、これだけでは姿勢制御が不可能なため、化学エンジンを併用して姿勢制御を行い、観測を続行。

2005年11月26日
通信が途絶える。化学推進用推進剤が漏れて吹き出したため、本体の向きが変わり、太陽電池パネルに光が当たらなくなり、電力不足を生じた。推進剤の蒸発によって衛星の温度も下がる。

2005年12月2日
化学推進エンジン作動せず。

2005年12月4日
緊急対策としてイオンエンジン用キセノンガスを噴射して姿勢制御を行う。

2005年12月8日
再度燃料漏れが発生。機体はみそすり運動を始める。キセノンガスを使っても姿勢を制御することは出来ず、9日以降通信が途絶える。

2006年1月23日
ようやくハヤブサからのビーコン信号をキャッチ。
信号は20秒しか聞こえない。本体が50秒周期で自転していることが判明。そのため20秒間でコマンドを送る方法を開発。

2006年1月26日
状況が少しずつ明らかになる。12月8日の姿勢喪失後、太陽電池発生電力が極端に低下し、一旦電源が完全に落ちた模様。搭載のリチウムイオンバッテリは放電し切った状態。かつ、バッテリの11セル中4セルは使用不能。また、化学エンジンは、すでに12月上旬には燃料をほぼ全量喪失した状態にあったが、この間さらに酸化剤も新たに漏洩し、残量が全くない状態。
イオンエンジン運転用のキセノンガスは、12月に通信が不通に陥った時点の状態の圧力を保っており、残量は約42~44kgと推定。

2006年6月
通信が途絶えている間に2007年に地球帰還のための軌道を失う。そのため、2010年に帰還するための軌道計算を行う。公転の差から帰還のチャンスは3年に1度しかない。

2006年7月
姿勢制御に使用していたキセノンガスの消費量を抑えるため、太陽光圧を利用(ソーラーセイルと同じ原理)したスピン安定状態での運用に切り替える。
時間をかけ、状態を確認しながらバッテリーに充電。

2006年12月
太陽に近づいたため、ヒーターを点けて推進剤を乾燥させる。イトカワの試料への付着を防ぐため。

2007年1月17日
バッテリーを作動させ、イトカワの試料をエントリーカプセルへ移動させる。やり直しのきかない一発勝負。成功(?)が確認される。

2007年4月25日
地球帰還の為、本格巡航運転を開始。巡航運転に先立ち、姿勢制御プログラムの書き換えを行う。
ヨー軸・ピッチ軸については、唯一生き残ったZ軸のリアクションホイールと、本来、イオンエンジンの推力軸調整用であるジンバル機構を併用して姿勢制御を行い、ロール軸については太陽光圧を利用して姿勢制御を行う。

2009年11月4日
イオンエンジン1基(スラスタD)が中和器の劣化により自動停止。スラスタCも傷みが出てきている。

2009年11月11日
イオンエンジン検討を重ねた結果、打ち上げ直後から故障していたスラスタAの中和器と、スラスタB(2007年4月から使用停止)のイオン源の複合モードで運転開始。
エンジン2基を連結してのクロス運転は、地上での試験をやっていない。これをいきなり宇宙でやることは、非常にリスクが高いが、この方法しか残されていなかった。
スラスタCは万一に備えたバックアップとされ、これ以降スラスタA-Bが使われた。

ハヤブサは姿勢制御装置である、リアクションホイールを失い、さらに、イトカワ表面から離陸した後に燃料漏れを起こし、化学燃料の全てを失った。
多くのトラブルにより、1度は帰還のタイミングを逸したが、残された機能と太陽の光のかすかな圧力を利用して姿勢制御を行い、寄せ集めのイオンエンジンを用い、ハヤブサは奇跡的に地球に帰還した。

大気圏を彗星のように落下し燃え尽きるハヤブサ。そこから放出され、地表に伸びるカプセルの光跡は多くの人々を感動と共に驚嘆させた。
(画像はJAXAから失敬させて頂きました)

北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科・金子大作助教授は、あらゆる植物に含まれる分子を高分子化していくことにより、接着強度が既存の瞬間接着剤の約2倍もある植物性接着剤の開発に成功した。

この新接着剤は、従来の接着剤とは全く異なる接着機構を持ち、ガラスや種々の金属など、有機・無機材料を問わず、あらゆる材料を強固に接着することができる。また、植物由来のため環境負荷の低減と人体への安全性も期待できる画期的な接着剤といえる。

これは、植物の細胞壁に含まれる原料(カフェ酸・パラクマル酸)を用いた、カテコール性の接着剤である。
カテコールとは、ベンゼン環にOH基が2つ付いた化学構造を持つ物質で、耐熱性があり、有機・無機表面を問わずにあらゆる材料の表面に分子レベルで強固に接着する。

例えば、ムール貝はドーパと呼ばれるカテコール性のアミノ酸を出し、岩盤や船底などあらゆる表面に強固な接着をする。
また、日本古来より用いられてきた漆は接着剤としても利用されて来ており、主成分のウルシオールもまたカテコール性分子である。
この様に自然界には、カテコール基の接着性を利用した接着機構が存在している。

金子助教授が開発した新接着剤も、接着メカニズムは完全には解明されていないが、カテコール基という分子構造の働きとみられている。

「5センチ角の接着面でゾウが持ち上がる」(同助教)という。住宅の内装向けのほか、自動車の車体の軽量化などに応用が期待できる。
現在、高コストが課題で、現時点で市販すれば、価格は既存商品の約10倍程度になるという。

カテコール所で、図のようにウルシオールはカテコールと非常に構造が近い、いや一種のカテコールである。
私は、ウルシの接着力を把握していないが、木工への可能性もありそうである。
硬化したウルシは、フレキシビリティに欠けるから椅子の接着には向かないか?

接着剤としてのウルシについて詳しい方のコメントをお待ちしています。