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バイク

フォード E-Bike

2011/09/22

フォード E-バイク 側面フランクフルトモーターショー2011に出品された、フォード製、電動アシストバイク。
E-バイクと呼ばれるコンセプトモデル。
シンプル、綺麗。バッテリーやモーターユニットが見えないのはいい。クロス-ジェンダーコンセプトも、またいい。
(以下、media.ford.com(下記にリンク)の翻訳。多少アレンジしている)。

このモデルは、フォードのデザイン言語が、どのように、このE-バイクへトランスレートされたかを表現している。

F1からの最先端のセンサー技術と、最高の自転車パーツの一体化を計る。

フル充電で85Kmの走行を保障するE-バイクは、都市モビリティのための革新的ソリューションかもしれない。

現在の所、このバイクの製造予定は無い。しかし、フォードは、他のモビリティソリューションと共に、このコンセプトの研究を続けている。

電動アシストバイクは、昨年世界で30万台販売され、多くの人々が、短距離通勤に使用している。

フォード E-バイク 後輪

クロス-ジェンダー デザイン
フォードのE-バイクのコンセプトは、男女両方にアピールするよう考えられている。
デザインの中心は、台形のフレームプロファイルである。アルミとカーボンで構成され、2.5Kgの重量ながら、傑出した強度を備える。
ホイールは、6本スポークのV字型デザインで、ドライブシステムなどはできるだけ隠してシンプルにし、フレームは浮いたように見せている。

先端テクノロジー
駆動は、フロントホイールハブに組込まれたモーターと、フレームに隠されたリチウムイオンバッテリーにより、フルチャージで85Kmの走行を保障する。
コントローラーと特許磁歪センサー技術はF1からのものである。

マグネットストラクティブ材料は、磁気エネルギーを運動エネルギーに変換(またはその逆)する。
F1では、それらのセンサーによって高温下にある高回転エンジンをコントロールしている。
それらは、エンジンパーツと物理的な接触を必要とせず、温度にも依存しないため、完全にメンテナンスフリーである。

E-バイクは、バイク業界の中では、その技術の最初のアプリケーションである。
センサーは、100分の1秒以内にインナーベアリングとリレーの回転数の情報を、コントロールユニットにもたらす。
コントロールユニットは、即座にモーターを制御し、最適なアシストを行う。
(注:国産電動アシストバイクは、すでに磁歪効果を用いたトルクセンサーを用いているが・・・)

ハンドルにマウントしたディスプレイ(スマートフォン)からは、トリップ情報が提供され、ライダーは、エコノミー、快適、スポーツモードを選ぶ事ができる。

一流の自転車部品
ドライブシステムは、シマノ製11速インターナルギアハブと同シフターを含む、トップレベルの自転車部品で補完されている。
伝統的チェーンに代わり、クリーン、軽量で、エネルギーのスムースな伝達を行う、カーボンベルトを採用。

技術仕様
ドライブユニット
モーター:36V 250W(最大出力:350W)
アシスト:25Km/hまで
フリーホイールハブ機構付
ギアボックス:遊星ギア

バッテリー
リチウムイオンバッテリー(340Wh,36V,9.3Ah)
充電回数:80%残容量で1000回
バッテリーマネジメントシステムによる、過放電、自己放電の制御
充電時間:2時間-80%容量。3~4時間-100%(室温)
走行距離:最大85Km
使用温度:-20°C~+60°C

コントロールディスプレイ機能
センサーによるバックライト
自動スリープモード
サポートモード:エコノミー・快適・スポーツ
表示:バッテリー残量、速度、時間、距離、最高速度、平均速度、走行距離 等々

コンポーネント
Wheels: Mavic Elipse Aluminum black (modified with Ford Design crossing)
Tyres: Continental Ultra Sport black
Pedals: Wellgo LU-C27G, silver/black
Handlebars: Downhill Aluminum black, custom made
Stem: Giant SLR Carbon 110mm
Saddle: Selle Italia SLR XC
Brakes: Avid Elixir 5, full hydraulic, 185mm
Shimano Alfine 11-speed internal gear and 2012 Shimano Rapidfire shifter

フォード E-バイク 前輪

参考サイト
MEDIA.FORD.COM(Ford Rides into E-Bike Market with Stunning Concept)
engadget(スマートフォンを装着できるフォードの電動自転車コンセプト E-Bike)

デフ部分1普通の路面を走っているだけでは、全輪駆動(2WD)のメリットは感じられないが、前輪が駆動していることを実感できるのは、ハンドルを切ってペダルを踏み込んだとき。
驚異的な回頭性で、うっかりしていると外に投げ出されそうになる。
すごい違和感で、巨大三輪車の感覚だと、製作者のT氏はいう。

これぞ、本当の両輪駆動バイクの醍醐味だと思う。
前輪にフリーホイールハブを組込んだ2WD自転車では、絶対に体感できない。

「乗ってみたい」「驚異的な回頭性を体験したい」と思う。

デフ部分2競技ではなく、我々が、野山や、雪道を普通の速度で楽しむ場合は、やはりこのタイプ(デフ付きの)の2WDではないだろうか。

T氏の「Dual Drive」3号機の構想。
小径極太ホイールで前後変速機装備、ロングホイールベースのエキストリームバイク。
サスペンション無し。
ディファレンシャルユニットの基本構造は同じでよさそうだが、フロントパワートレインは改良の余地あり。
この目標のためにはフレームから製作する必要がありそう。とのこと。

フロント部分1以前、シマノが内装式のフロントギア変速機を作っていた。
内装式のフロントギアや、インター7など、改造素材は入手済みだという。

個人で行うには、かなり大変だと思われるが、3号機の完成が楽しみである。

[参考]ブレーキLSD
ブレーキLSDなる技術の存在を知った。
前回の記事で、デフロックなどという素人コメントを書いたが、デフ式2WDバイクには、マニュアル式ブレーキLSDで充分だと思った。
空転を察知すると、T氏が言うように、ライダーが空転側のブレーキを掛ければいいのだ。これ以上シンプルなバイオLSD(?)はない。

デフイラスト1Wikipediaより:最近、日産が電子制御安全システムのVDC(ビーグルダイナミクスコントロール)に組み込んでいる技術。トラクションコントロール技術の派生系。
従来のLSDとは全く異なり、差動制限にデフケース内のデバイスを用いるのではなく、ブレーキを用いる事が特徴で、システムが車輪の空転を検知すると空転輪にのみブレーキを掛ける事で差動制限装置と同様の効果を擬似的に再現する。

画像上は、デファレンシャル部分。
自動車に比べ、入力から出力が直線(同軸)のため、非常にシンプルに構成される。
パワーが、デフに入り、二つのスプロケットにより、前後ホイールにチェーンによって伝達される(上のイラストを見ると理解しやすい)。

画像上から2枚目では、ドライブピニオンギア(合計5個使用)とサイドギア(出力ギア)が見える。

イラストはT氏自身による。デフの原理図と、構造図。デフの原理が良くわかる。
出力ギア1、2はフリー状態で、ドライブピニオンギアを介して入力と繋がっている。
出力ギア1、2共に同じ負荷だと、ドライブピニオン+出力ギア1+出力ギア2は同時に回転する。

デフイラスト2

画像(上から)4、5:フロントパワートレイン
シャフトの動的トルクを小さくするため、ドライブシャフトの回転数を高く設定している。そのため、スプロケットを大きくしている。
そうしない場合、ドライブシャフトを太くしなければならず、重くなってしまうため。

ドライブシャフトは、サスペンションに対応するため、軸方向に伸縮ができるスプライン軸を用いる。
注:仮にサスがなくても、車体とフロントタイヤのベベルギアの位置が、ハンドルを切ったとき、おそらく若干変化するため、それを吸収するスプラインは必要なのだろうと推測するが(ちょっと良くわからない部分)。

フロント部分2前輪伝達系の最終端には、ワンウェイクラッチ(シェル型ローラークラッチ)が入っている。
空走中に、前輪がパワートレイン系を引きずると抵抗が大きいので、車輪だけフリーランさせるためである。

前輪の駆動系には疑問を呈する人が結構いるという。複雑すぎるというのが支配的な意見だそうだ。

確かに、元工業デザイナーの私としては、もう少しシンプルにしたい所ではある。
ただし、個人で楽しむレベルで、車体に改造を加えず、汎用部品を活用したプロトタイプには、設計意図に異を挟むつもりは毛頭ない。

思いを具現化したという事実に、ひたすら敬意を払うだけである。

Dual Drive

2011/01/26

DualDrive左側面日本と米国の2輪駆動自転車を紹介してきた。

両車共、前輪にフリーホイールハブを装着している。
コーナーなどでハンドルを切ったときには、前後輪の軌跡が違うため、車輪の回転数も変わる。
その場合、前後輪が直結状態だと旋回できない。そのため、前輪に装着したフリーホイールハブで前輪を空転させ、駆動を逃がしているのである。

当然、その間には、2輪駆動状態ではなくなる。これでは、何のための2輪駆動車なのか分からない。

これをメカ的に解決するには、自動車と同じように、デファレンシャルギアを組み込むしかない。
(前輪だけモーターアシストという手段もあるが、全てメカ的解決を目指したいではないか(個人的ロマン?))

所が、日本でデフ付きの2輪駆動自転車を自作してしまった方がいたのだ(!)。

「Dual Drive」
サイトで、詳しい説明がある。
これまでの2輪駆動自転車の記事は、この自転車を紹介するためだったと言っても過言ではない。

実は、デフを組込むメリットは、もう一点ある。

ハンドル操作によるバックトルクの影響が、問題ない範囲に収まるということである。
これは大きい。
クリスティーニ(米国の2輪駆動自転車メーカー)は、この対策を施していない。
ある体験者が言うには、危なくて乗れないという(多少オーバーな言い方かもしれないが・・)。

上記2点を考えただけでも、デフ化は必須だと、私は思う。

では、デフ方式のデメリットは ―

1.自動車で我々が経験するように、片輪が空転した場合、非空転側の駆動がなくなる。
[解決案]
リミテッドスリップデフにする。
レバー操作等により、パートタイムでデフロックを掛ける機構を付ける(素人考え)。
ただし、空転側に軽くブレーキを掛け、抵抗を与えれば復帰すると思われるが・・(車の場合、サイドブレーキを掛けるように)。

参考:デフを持たない市販2輪駆動車の場合、コーナーで後輪が空転すると、駆動していない前輪に自動的に駆動がかかる。

2.市販2輪駆動車のように、汎用パーツを用いた変速機構を利用できない。
[解決案]
車と同様、デフの前に変速機構を組込む必要がある。
(出力→変速機→デフ→パワーの配分・伝達)
クランク内に内装式変速機を組込めばいいのかもしれない(素人考え)。
(注:余計な「素人考え」など加えましたが、見逃して下さいますよう)

画像を見ると、2輪駆動化にはこれほどの装置が必要なのかと、思われる方もいるかもしれない。
バイクの2輪駆動化は結構面倒なのだ。だからこそ、チャレンジの意味がある。
ただし、作者の制作動機は単純。
「本物の2輪駆動車に乗りたい!」

もの作りにおいて、ジャンルは違えど、動機はいつもシンプル。
夢とロマンが、もの作りの原点。
実にいいなと思う。
久々に素晴らしいものを見た。
DualDrive左側面

国産2WDバイク

2011/01/11

国産2WDバイク現在、販売されている国産の2WDバイク。
「Fortuna」ブランド。
後輪から、駆動力をチェーンで前輪に伝えるタイプの2WD。

「Fortuna」社のWebサイトの、2010/09/21の記事によると、

二輪駆動自転車「FORTUNA」プロトタイプを完成。ハンドルを切りながらでも前輪を駆動。 大幅な軽量化を実現し、走行性能を向上。(株)GFIX及び(株)VISIXは、東京理科大学より二輪駆動自転車特許の独占的実施権を共同にて取得し、(株)GFIXが開発。

とある。

国産2WDバイク・ディテールまた、2010/11/08の記事では、

株式会社GFIXは、日本ロボティクス株式会社と共同開発した、新型AWD自転車(二輪駆動自転車)「FORTUNA」を製品化。従来の二輪駆動自転車の問題を、特許出願技術「ダブルジョイント」で解決。高い走行パワーと安定性を実現。モデル名「FORTUNA-DREAM」を、2010年12月中旬より販売開始予定。

とある。

特に、ハンドルを切りながらでも前輪を駆動し、従来の二輪駆動自転車の問題を、特許出願技術「ダブルジョイント(注1)」で解決。
これだけ読んでも、すごいバイクができたものだと思った。

「ハンドルを切りながらでも前輪を駆動」できるとは、前回紹介した「クリスティーニ」も、実現できていない。
どうやって前後輪の回転差を吸収したのだろうか。興味と関心は高まる。

また、特許「ダブルジョイント」の意味とメリットは何なのだろうか。こちらも、疑問と関心は高まる。
「ダブルジョイント」の考案者は、「Fortuna」の共同開発社「日本ロボティクス株式会社」の代表者である。
そして、「ダブルジョイント」は、素人の私が見ても、トルクステアの影響を避ける装置ということは判る。

トルクステアキャンセラーところで以前、(有)シェスコ(Shesco)が「2WD BIKE」を販売していた。このバイクには、ギア式のトルクステアキャンセラーが付いている(注2)。
東京理科大の小林氏と「日本ロボティクス株式会社」の共同開発による装置で、スムーズなハンドリングを実現しているという。
「ダブルジョイント」よりも、ハンドルの切れ角は大きく取れそうだが、「FORTUNA」に採用しなかった理由とは何だったのだろうか。
コスト?、重量?、パテント問題?、機能性?

最大の疑問点。
「FORTUNA」は、ハンドルを切りながらでも駆動がかかるとある。
メーカーサイトを見ても、ネットで検索しても、その理由がどうしても判らないから、メーカーに問い合わせた。

担当者は、前後輪は、同期する。よって問題なく前輪を駆動するとのこと。
同期するとは、前後が同じ回転になるということである。
デフも付いていないのに?、よく判らない。
説明による私の理解は、「タイヤとフレームの捻じれと、滑りやすい路面で、ある程度パワーを掛けて漕ぐことにより、後輪がすべり気味になり、前後輪は同期する」ということ。
担当者は最後に、前輪にはフリーホイールハブを入れてあると言った。

「!!!!」

フリーホイールハブを入れてあるということは、サイトには書かれていない。
フリーホイールハブを入れてあるが、コーナーでも前輪は駆動されるという。
コーナーでも前輪を駆動するということは、同期するということである。その瞬間はあると思うが、フリーホイールハブが入っているということは、前輪を駆動しない瞬間も、必ず(いや大いに)あるということだ。特に滑らないロードではそうだろう。
そしてそれは、サイトの謳い文句に反する。

これでは、トルクステアの問題からは解放されているが、クリスティーニと変わらないのではないかと思う。

他の疑問として、ハンドル切れ角は、一般的なバイクに比べて狭いが、実用上問題ないのか?
従来の2WDの問題を解決し、高い走行性能を実現したとあるが、個人的には、(有)シェスコが販売していた2WDとの違いも知りたいところである。

感じたのは、サイトでの説明が少ないということ。
開発者の2WDへの熱意は理解できるだけに、ちょっと残念な気がする。

何しろ、実際に試乗してみないと最終的な判断、評価はできないと思うが・・。

注1:等速ボールジョイントを2つつないだようなジョイント。ハンドルの切れ角は最大60度。

注2:1つ余計にギアを噛ますことにより、ハンドルを切った方向とは逆方向に前輪へ行くシャフトを回す。これにより、シャフトはハンドル操作の影響を受けない。
上下2組のギアで構成されているが、基本的に下のセットだけで機能する。上のセットは、シャフト上部の支持用。
クリスティーニも、フォーククラウン内部のチェーン駆動の前に、もう1つギアを入れればキャンセルできるのに(何とかスペースはありそう)、パテント問題でできないのかな・・と思う。

画像上・中は、Green Mobility Vol.13から。
画像下は、「みるなるみ」から転載致しました。

トロコイドサイクル画像は、短大時代に指導した学生の1986年度卒業制作作品。
トロコイド推進機構を利用した遊具である。

この卒業制作の真の目的は、トロコイド推進機構はどんなものなのか、利用できるものなのか、応用できるものなのかを確認するためだった。
(ペダル駆動による遊具として具現化するには、多少無理がある感じは否めなかったが)

トロコイドサイクル乗車時今日のように、高性能バッテリーがあれば、モータ駆動による室内用途の可能性を探っていたかもしれない。

兎も角、トロコイド推進機構という、一種のオムニドライブには魅力があったし、効率は低そうだったが、ハンディキャップのある方や、子供用として、可能性を感じたのだ。

◎トロコイド推進機構とは

トロコイドサイクル推進機構図回転板に取り付けられた駆動輪(今回の場合キャスターを使用)は、回転板の回転と共に、出力軸を中心とした公転運動を行う。

駆動輪は、回転板にキングピン支持され、タイロッドに相当するプッシュプルリンクを介し、コントロールレバーと連結されている。

コントロールレバーの操作により、駆動輪は別々の方向に首を振る。
つまり、駆動輪は、公転運動を行いながら、周期的に首振り運動を行うことにより、一定方向にコーナリング フォースが発生する。

首振り角度の変化量が増せば、コーナリングフォースも増加するため、連続的な増速が可能であり、減少させれば、ブレーキとして作用する。
また、コントロールレバーを任意の方向に傾斜させることにより、任意方向(全方向)に進むことができる。

つまり、特別の操縦装置と変速装置なしにコントロールレバーだけで、進行方向、速度、ブレーキをコントロールすることができるのである。

ちなみに、駆動輪の描く軌跡が外トロコイド曲線(注1)となる。
最高時速は4km程度に想定した。

このブログは研究紀要ではないので、詳細は割愛するが―
実際に子供による操縦で、この機構の検証と特性は確認できた。
見事、自由自在に動き回ることができたのである。
ただし、プロトタイプであること、限られた予算のため、余計な加工はできない。そのために重くなったこと、加工精度の問題で擦動抵抗が大きかったこと等により、子供による駆動は大変だった。

スタート時に、コントロールレバーを最大まで押してしまうため(首振りが最大になる)、スタートが難しいという問題があった。
これは、首振り角度を取りすぎたという問題からきており、事前に想定できなかった部分である。

率直に言って、個人的には、モーターか、エンジン駆動にしたら、実に楽しい乗物になるだろうなという感想を持った。

今回も、機械科とのコラボレーション。
メカ部分の基本設計は私が行い、詳細設計と加工は機械科(学生)が行う。
また、発明者でもある、ワンダービークル技術研究所の六車義方氏の了承と協力の下で行った。

デザイン(スタイリング)的には評価対象外だと思っている。それ以前の、可能性の確認としての、プロトタイプ(スタディモデル)段階と理解して欲しい。
短大在職中、最も苦労したテーマの一つ。
しかし、喜びも最大だった。教育機関勤務の醍醐味。ただし、客観評価は別として。

注1:動点が回転体の外側にある場合の、動点の描く軌跡(高トロコイド(Superior Trochoid)ともいう)。

トロコイドサイクル構造図

ドライブシャフトクリスティーニ社のオール ホイール ドライブ バイク(Christini AWD Bicycle)。
綺麗。よく出来ている。

リアホイールからパワーを取り出し、インターナルドライブシャフトを介してフロントホイールへ伝える。
後輪から駆動を持ってくるのは、変速システムをそのまま利用できるというメリットのせいだ。
かなり複雑な工程を経て伝えられている。
しかも、前後ともサスペンションを備える。

所で、バイクの両輪駆動化には、2つの問題点がある。

パワートランスファーチェーン最初の問題点は、コーナーでの内外輪差を吸収しなければならないということである。
つまり、曲がるときには、前輪と後輪に回転差が生じる。これを吸収しなければ駆動(走行)できない。

分かりやすい例を挙げると、前輪を90度曲げてバイクを旋回させると、後輪は回らず、前輪だけが回転しながら車体が旋回する。実際には走れないが、最大でこれだけの回転差があるということである。
車ではデファレンシャルギアで回転差を吸収している。

ステアリングチューブ内のドライブシャフトクリスティーニ AWDの場合は、前輪にフリーホイールハブを装着することにより、この問題を解決している。

フリーホイールハブとは、バイクの後輪に付いているものだ。
ペダルを踏むと後輪が回るが、踏むのをやめても後輪は回転を止めず、惰性で走行できる。当り前になっているお馴染みの装置である。

フロントベベルギアでは、フリーホイールハブを両輪駆動バイクの前輪に組み込むと、どういうことになるのか?
直線を走っている場合(前後輪の回転差がない場合)、両輪には駆動力がかかる。
コーナーに入り、前輪の回転数が増すと、フリーホイールハブが機能し、前輪への駆動が切れる。これによって、回転差は無視できる。
つまり、回転差を生じるようなコーナーでは両輪駆動はできないのである(!)。

では、このタイプの両輪駆動システムの意味はどこにあるかというと、後輪がスリップによる空転した場合、前輪が駆動する。
コーナーの最中でも、スリップ、ワッシュアウト等によって前輪の回転が止まったとき、前輪の駆動は回復する(たぶん瞬間的)。
その結果、オフロード走行において、後輪駆動車と比べ走破性は格段に向上する。

次の問題点はトルクステアである。
リアから伝えられたパワーは、ステアリングを経由して前輪を駆動する。
そのため、ハンドルの回転によって駆動力に影響が出る。
片側にハンドルを切った時にはドライブシャフトを回し(順回転)、逆に切った場合はドライブシャフトを逆回する力となる。
順回転の場合は、瞬間的にペダルが軽くなり、逆回転の場合はペダルが重くなるはずである。

クリスティーニの場合、この対策はされていない。
クリスティーニを所有されている方にお聞きしたのだが、問題ないという回答だった。認識さえしていない印象だった。
実際は対策されているか、本当に大した影響がないのか、よく判らない。
最終的には、自分で実際に運転してみないと、実感できないだろう。

クリスティーニのように、内外の回転差の吸収にフリーホイールハブを使うのは、コストと軽量化のためであろう。
しかし、コーナーリング中に駆動がかからないシステムには少々落胆した。
両輪駆動の意味がないのではないかとさえ思った。

この問題の抜本解決には、4輪駆動車同様、センターデフを使用するしかない。

(注:記事中、理解に間違いの可能性もありますので、その場合はご指摘下さい)

画像上:後輪からの、パワーを伝えるドライブシャフト。サスストロークを吸収するため、スクエアスプラインを使用している。
螺旋状の塗り分けは、動画用(作動確認しやすいため)。

画像中上:フォーククラウン内部のパワートランスファーチェーン。これによって、車体中央を通ってきたドライブシャフトは右フォーク側に移される。

画像中下:ステアリング チューブ内のドライブシャフト。

画像下:前輪を駆動するベベルギア。

画像上・下は、「FOUR WHEELER」から、画像中は、「CHRISTINI AWD」からお借りしました。

1984年製バイク

2010/12/24

卒業制作バイク画像は、短大時代に指導した学生の1984年度デザイン科卒業制作作品。
2人の学生が、1つのコンセプトに基づき、各自の解釈で仕上げたバイク。

大まかなコンセプトは、以下のように記憶している。

フォルムの斬新さの追求。
サスペンション付きの可能性。
操縦系と駆動系のユニット化、等々。

その上で、駆動系のユニット化(標準化)を進めた。

卒業制作バイクサブフレームにアルミダイカストを想定。
この部分の共通化を図り、バリエーション展開を行う。

サブフレームとメインフレームはファスナー(ボルト類)により締結され、容易に分解、交換できる。

1984年当時は、BMXの黎明期であり、単なる軽快車、ママチャリ全盛時代で、自転車の低迷期という印象だった。

そんな中での、新しい自転車――アルミ製サブフレームを駆動系とするBMX車への提案である。

サブフレームは機械科とのコラボレーション。MC(マシニングセンター)を使用し、アルミを削り出した。
もう少し肉抜きし、リブを出したかったが、MC担当官が動いてくれず、最低限の加工で終わったのは残念だった。

イエローバイクのシートは自作FRP製。

今では、マウンティンバイクの隆盛と共に、サス付きは当り前になり、当時は考えられない様々な自転車が登場している。
26年前の考え方としては、多少面白かったのではないかと思っている。

くしくも、当ブログで、10/22に取り上げた「Onion Bikes」の「No welding System」に若干近い?(比較自体が失礼?)。

自分自身も自転車が好きで、大学での卒業制作には自転車を選ぶつもりでいた。
結局、テンション構造の椅子の誘惑がまさったのだが・・。

チョッパー

2010/12/19

チョッパー自転車大学2年の時に作ったチョッパー。
友人と2人、徹夜して作った。
無論、大学の課題とは何の関係も無い。

主な部品や材料は校内で強引に調達した。

フロントホイールは、同級生が乗っていた実用車のもの。
このホイールがなかったら制作する気にはならなかった。
無断で拝借した。
もう後の祭りなのだ。
だが、諦めてくれた。

シートは、金がないので発泡素材を成形し、帆布を女子学生に縫ってもらい、カバーにした。
チョッパーに合うハンドルはなかった。これで、イメージが決まってしまう。仕方がないので購入。

塗装は、手持ちエナメルの刷毛塗り。
エナメルは乾燥が遅いが、ツヤがあるのだ。

当時流行った、イージーライダーを観て感化されたのだが、同時に、我々はモーターサイクルに夢中で、このバイクの運転フィーリングを、ぜひとも確認したかったというのが最大の動機だった。

操縦性は、思ったより安定感がなく、多少落胆した記憶がある。期待ほど面白いものではなかったのだ。
だが、学園祭では、大いに受けた。

大学の課題は、まったくやる気が起きなかったが、何故か、熱い思いは充満していた。鬱屈したモヤモヤもあったが、我々は無邪気で元気だった。
戻りたいとは思わないが、久々に見たこの写真に懐かしさを覚えた。

[備考]
図面も描かずに制作した。詳しいプロセスは覚えていない。
バックレストは、砂を詰めて曲げた。シート下には補強メンバーが入っている。
パイプ端面はつぶしてアクスルシャフトが通る穴を開けた。どうやって加工したか記憶にない(パイプをつぶす加工のこと。中に詰め物をしないと綺麗に潰れないから)。

[参考までに]
次の加工は、山口オートペット(2stroke/50cc/3speed)用のエクスパンションチャンバーだった。
高速設定にしたつもりだったが、直径が大きすぎた。それでも、途中からぐーんと伸びていく感じに痺れた。